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民法難易度: 標準2023年度

司法書士 過去問民法 第303問

問題

Aが、Bの代理人と称して、Cとの間で、Bの所有する不動産を売却する旨の契約(以下「本件売買契約」という。)を締結したが、実際にはAは代理権を有しておらず、また、CはAが代理権を有していないことを知らなかった。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア Cは、Bに対し、相当の期間を定めて、その期間内に本件売買契約を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができ、Bがその期間内に確答しないときは、追認したものとみなされる。 イ Bが本件売買契約を追認した場合において、別段の意思表示がないときは、本件売買契約は、その追認の時から効力を生ずる。 ウ 本件売買契約の締結時において、Aが成年被後見人であったときは、Aは、Cに対して民法第 117 条第 1 項による無権代理人の責任を負わない。 エ Bが、Aに対して、本件売買契約を追認した場合であっても、Cが当該追認の事実を知らないときは、Cは本件売買契約を取り消すことができる。 オ Aが、自己に代理権がないことを知りながら、本件売買契約を締結した場合であっても、Aが代理権を有しないことをCが過失によって知らなかったときは、Aは、Cに対して民法第 117 条第 1 項による無権代理人の責任を負わない。(参考)民法第 117 条 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。2 (略)

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アオ
  3. 3イエ
  4. 4ウエ
  5. 5ウオ

正解

4. ウエ

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解説

正解は「ウエ」(正しいものの組合せ)。 ア=誤り。無権代理行為の相手方は、本人に対し相当の期間を定めて追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができるが、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなされる(民法114条)。追認したものとみなされるのではない。本人の関与なく効果を押し付けることは相当でないためである。根拠:民法114条 イ=誤り。追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる(民法116条本文)。追認の時からではない。ただし第三者の権利を害することはできない(同条ただし書)。根拠:民法116条 ウ=正しい。無権代理人は、行為能力の制限を受けていたときは、民法117条1項の責任を負わない(同条2項3号)。無権代理人の無過失責任は重いものであるから、制限行為能力者制度による保護を優先させる趣旨である。成年被後見人であったAはこの責任を負わない。根拠:民法117条2項3号 エ=正しい。追認は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない(相手方がその事実を知ったときを除く。民法113条2項)。また、相手方は本人が追認をしない間は無権代理行為を取り消すことができる(民法115条)。本人Bが無権代理人Aに対して追認をしても、相手方Cがその事実を知らない以上、BはCに追認を対抗できず、Cは取り消すことができる。根拠:民法113条2項、115条 オ=誤り。相手方が無権代理であることを過失によって知らなかったときは無権代理人は責任を負わないのが原則であるが、無権代理人が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない(民法117条2項2号ただし書)。悪意の無権代理人を保護する必要はないからである。根拠:民法117条2項2号 以上より、正しいのはウとエであり、正解は「ウエ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第6問)

一問一答

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