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民法難易度: 標準2023年度

司法書士 過去問民法 第316問

問題

委任に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 受任者は、委任者の許諾を得なくとも、やむを得ない事由があるときは、復受任者を選任することができる。 イ 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用の償還を請求することができるが、支出の日以後におけるその利息の償還を請求することはできない。 ウ 受任者が第三者との間で委任事務を処理するのに必要と認められる金銭債務を負った場合において、受任者が委任者に対して自己に代わってその弁済をすることを請求したときは、委任者は、受任者に対して他の売買契約に基づき代金支払債権を有していても、受任者による当該請求に係る権利を受働債権とし、受任者に対する当該代金支払債権を自働債権として、相殺することができない。 エ 受任者の利益をも目的とする委任については、その利益が専ら受任者が報酬を得ることによるものであるときであっても、これを解除した委任者は、受任者の損害を賠償する義務を負う。 オ 委任の解除をした場合には、その解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5エオ

正解

4. イエ

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解説

正解は「イエ」(誤っているものの組合せ)。 ア=正しい。受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない(民法644条の2第1項)。逆にいえば、やむを得ない事由があるときは委任者の許諾がなくても復受任者を選任することができる。委任は当事者間の信頼関係を基礎とするため原則として自己執行義務を負うが、例外が認められている。根拠:民法644条の2第1項 イ=誤り。受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用の償還のみならず、支出の日以後におけるその利息の償還も請求することができる(民法650条1項)。受任者は本来自己の財産を持ち出す義務を負わないからである。根拠:民法650条1項 ウ=正しい。受任者が委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる(民法650条2項前段)。この代弁済請求権は、受任者が第三者に対する債務を免れさせるという目的のために認められたものであり、委任者が自己の債権を自働債権としてこれを受働債権とする相殺をすれば、その目的が達せられなくなる。したがってこのような相殺は許されない。根拠:民法650条2項 エ=誤り。委任は各当事者がいつでも解除することができ(民法651条1項)、受任者の利益をも目的とする委任を委任者が解除したときは受任者の損害を賠償しなければならないが、その利益が専ら報酬を得ることによるものである場合は、この賠償義務の対象から除かれている(民法651条2項2号かっこ書)。報酬目的にすぎない場合まで解除を制約する必要はないからである。根拠:民法651条2項2号 オ=正しい。委任の解除をした場合には、その解除は将来に向かってのみその効力を生ずる(民法652条・620条)。継続的な事務処理という性質上、遡及効を認めると法律関係が複雑になるためである。根拠:民法652条、620条 以上より、誤っているのはイとエであり、正解は「イエ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第19問)

一問一答

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