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刑法難易度: 標準2023年度

司法書士 過去問刑法 第68問

問題

刑法の共犯に関する次の 1 から 5 までの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものは、どれか。

選択肢

  1. 1教唆犯を教唆した者には、教唆犯は成立しない。
  2. 2他人を唆して特定の犯罪を実行する決意を生じさせた場合には、唆された者が実際に当該犯罪の実行に着手しなくても、教唆犯が成立する。
  3. 3拘留又は科料のみに処すべき罪を教唆した者は、特別の規定がなくても、教唆犯として処罰される。
  4. 4不作為により正犯の実行行為を容易にさせた場合には、幇助犯は成立しない。
  5. 5幇助者と正犯との間に意思の連絡がなく、正犯が幇助者の行為を認識していない場合であっても、正犯の実行行為を容易にさせる行為をしたときは、幇助犯が成立する。

正解

5. 幇助者と正犯との間に意思の連絡がなく、正犯が幇助者の行為を認識していない場合であっても、正犯の実行行為を容易にさせる行為をしたときは、幇助犯が成立する。

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解説

正解は「幇助者と正犯との間に意思の連絡がなく、正犯が幇助者の行為を認識していない場合であっても、正犯の実行行為を容易にさせる行為をしたときは、幇助犯が成立する」とする記述である。いわゆる片面的幇助であり、幇助犯の成立には正犯者との意思の連絡を要しないと解されている(大判大正14年1月22日)。幇助は正犯の実行行為を容易にすれば足り、正犯がその援助を認識している必要はないからである。これに対し、片面的共同正犯は否定されるのが判例・通説であり、両者を区別して押さえる必要がある。根拠:刑法62条1項 「教唆犯を教唆した者には、教唆犯は成立しない」とする記述は誤りである。教唆者を教唆した者についても教唆犯と同様に扱われる(刑法61条2項。間接教唆)。さらに間接教唆を教唆した者(再間接教唆)についても処罰が認められている。根拠:刑法61条2項 「他人を唆して特定の犯罪を実行する決意を生じさせた場合には、唆された者が実際に当該犯罪の実行に着手しなくても、教唆犯が成立する」とする記述は誤りである。刑法61条1項は「人を教唆して犯罪を実行させた者」と規定しており、判例・通説は共犯従属性説に立つ。したがって被教唆者が実行に着手しない限り教唆犯は成立しない。根拠:刑法61条1項 「拘留又は科料のみに処すべき罪を教唆した者は、特別の規定がなくても、教唆犯として処罰される」とする記述は誤りである。拘留又は科料のみに処すべき罪の教唆者及び従犯は、特別の規定がなければ罰しない(刑法64条)。軽微な犯罪について共犯まで処罰を広げる必要がないためである。根拠:刑法64条 「不作為により正犯の実行行為を容易にさせた場合には、幇助犯は成立しない」とする記述は誤りである。作為義務を負う者が正犯の犯行を阻止せず、これによって実行行為を容易にした場合には、不作為による幇助犯が成立し得る。根拠:刑法62条1項 (出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第25問)

一問一答

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