問題
選択肢
- 1Aは、同居の長男BがBの先輩であるCと共謀の上起こした強盗事件に関して、Bから頼まれて、Cの逮捕を免れさせるためにのみ、B及びCの両名が犯行の計画について話し合った内容が録音されたICレコーダーを破壊して自宅の裏庭に埋めて隠匿した。この場合、Aは、証拠隠滅罪の刑が免除される。
- 2Aは、先輩であるBと共謀して、Bと不仲であったBの同居の実母Cの金庫内から、C所有の現金を盗んだ。この場合、Aは、窃盗罪の刑が免除される。
- 3Aは、ギャンブルで借金を抱えており、同居の内縁の妻Bが所有する宝石を盗んで売却した。この場合、Aは、窃盗罪の刑が免除される。
- 4Aは、情を知って、同居の長男Bの依頼を受け、Bの友人であるCが窃取し、BがCから有償で譲り受けた普通乗用自動車を運搬した。この場合、Aには、盗品等運搬罪が成立し、その刑は免除されない。
- 5Aは、家庭裁判所から同居の実父Bの成年後見人に選任されたものであるが、自己の経営する会社の運転資金に充てるために、Aが成年後見人として管理しているB名義の銀行口座から預金を全額引き出して、これを着服した。この場合、Aは、業務上横領罪の刑が免除される。第 27 問から第 34 問までの試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定
正解
4. Aは、情を知って、同居の長男Bの依頼を受け、Bの友人であるCが窃取し、BがCから有償で譲り受けた普通乗用自動車を運搬した。この場合、Aには、盗品等運搬罪が成立し、その刑は免除されない。
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解説
正解は「Aが、情を知って、同居の長男Bの依頼を受け、Bの友人であるCが窃取し、BがCから有償で譲り受けた普通乗用自動車を運搬した場合、Aには盗品等運搬罪が成立し、その刑は免除されない」とする記述である。盗品等に関する罪の親族間の特例(刑法257条1項)による刑の免除は、盗品等に関する罪の犯人と本犯(窃盗犯人)との間に同条所定の親族関係があることを要する(最決平成元年5月1日)。本問で本犯はCであり、AとCとの間に親族関係はないから、Aは刑の免除を受けられない。根拠:刑法257条1項、256条2項 「同居の長男Bから頼まれ、Cの逮捕を免れさせるためにのみ証拠を隠匿した場合に証拠隠滅罪の刑が免除される」とする記述は誤りである。刑法105条は犯人の親族が「犯人又は逃走した者の利益のために」犯した場合の規定であり、専ら親族でない者の利益のためにした場合には適用がない。加えて同条は刑を免除「することができる」とする任意的免除である。根拠:刑法105条、104条 「先輩Bと共謀してBの同居の実母Cの金庫から窃盗をした場合にAの刑が免除される」とする記述は誤りである。親族間の犯罪に関する特例は、親族でない共犯については適用しない(刑法244条3項)。この特例は一身的処罰阻却事由だからである。根拠:刑法244条1項・3項 「同居の内縁の妻が所有する宝石を盗んだ場合に刑が免除される」とする記述は誤りである。刑法244条1項の「配偶者」に内縁の配偶者は含まれない(最決平成18年8月30日)。刑の免除という重大な効果を伴う以上、法律上の配偶者に限られる。根拠:刑法244条1項 「家庭裁判所から選任された成年後見人が実父の預金を着服した場合に業務上横領罪の刑が免除される」とする記述は誤りである。家庭裁判所から選任された成年後見人の後見の事務は公的性格を有するものであって、成年後見人が業務上占有する成年被後見人所有の財物を横領した場合に、親族相盗例を準用して刑法上の処罰を免れることはできない(最決平成20年2月18日)。根拠:刑法253条、244条1項、255条 (出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第26問)
一問一答
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