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不動産登記法難易度: 2023年度

司法書士 過去問不動産登記法 第240問

問題

時効取得を登記原因とする所有権の移転の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア Aは、Bが所有権の登記名義人である甲土地を占有していたが、甲土地の取得時効の完成前に死亡し、Aの相続人であるCが甲土地の占有を継続して甲土地を時効により取得した場合において、Cが当該時効の起算日より後に出生したときであっても、Cは、時効取得を登記原因として、当該時効の起算日の日付を登記原因の日付とする所有権の移転の登記を申請することができる。 イ Aは、B及びCが所有権の登記名義人である甲土地を時効により取得したが、Bが共有者全員持分全部移転の登記に協力しない場合には、Aは、Cと共同して時効取得を登記原因としてCの持分の移転の登記を申請することはできない。 ウ Aは、Bが所有権の登記名義人である甲土地を時効により取得したが、その時効の起算日より前にBが死亡していた場合には、Aは、甲土地について相続を登記原因とする所有権の移転の登記をすることなく、Bの相続人全員と共同してBからAへの所有権の移転の登記を申請することはできない。 エ Aは、時効の起算日より後にBが死亡し、Bの相続人であるCに相続を登記原因とする所有権の移転の登記がされている甲土地を時効により取得した場合には、Cへの所有権の移転の登記を抹消した上で、Aは、Bの相続人全員と共同して所有権の移転の登記を申請しなければならない。 オ Aは、Bが所有権の登記名義人である甲土地を時効により取得したが、その後に、BがCに対し、甲土地を贈与しており、贈与を登記原因とするBからCへの所有権の移転の登記がされている場合には、Aは、Cと共同して時効取得を登記原因とする所有権の移転の登記を申請することができる。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アウ
  3. 3イエ
  4. 4ウオ
  5. 5エオ

正解

2. アウ

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解説

正解は「アウ」(正しいものの組合せ)。 ア=正しい。占有者が死亡した場合、その相続人は被相続人の占有を承継し、これを併せて主張することができる(民法187条1項・896条)。時効の効力はその起算日にさかのぼるから(民法144条)、相続人が時効の起算日より後に出生した者であっても、時効の起算日を登記原因の日付として時効取得を原因とする所有権の移転の登記を申請することができる。根拠:民法144条、187条1項、896条 イ=誤り。共有者の一人が登記手続に協力しない場合であっても、協力する他の共有者との間で、その者の持分についてのみ時効取得を原因とする持分の移転の登記を申請することができる。登記は権利ごとに順次実現すれば足り、全員の協力がなければ一切登記できないというものではない。根拠:不動産登記法60条 ウ=正しい。時効の起算日より前に登記名義人Bが死亡していた場合、時効完成時における所有者はBの相続人であり、時効取得による所有権の移転はその相続人からされる。したがって、まず相続を原因とする所有権の移転の登記を経た上で、相続人を登記義務者として時効取得を原因とする所有権の移転の登記を申請しなければならず、相続登記を省略してBからAへの移転の登記を申請することはできない。根拠:不動産登記法60条、民法896条 エ=誤り。時効の起算日より後にBが死亡し、相続人Cへの相続を原因とする所有権の移転の登記がされている場合、その相続登記は実体に符合する有効な登記であるから抹消する必要はない。AはCを登記義務者として、時効取得を原因とする所有権の移転の登記を申請すればよい。根拠:民法144条、不動産登記法60条 オ=誤り。時効完成後に登記名義人BがCに贈与し、C名義の所有権の移転の登記がされている場合、Aは時効完成後の第三者であるCに対して登記なくして時効取得を対抗することができない(民法177条)。この場合に、時効の起算日を登記原因の日付としてCを登記義務者とする時効取得の登記を申請することはできない。根拠:民法177条、144条 以上より、正しいのはアとウであり、正解は「アウ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午後の部 第19問)

一問一答

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