司法書士に戻る
民法難易度: 標準2025年度

司法書士 過去問民法 第276問

問題

賃貸借に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記 1から 5 までのうち、どれか。 ア 賃貸不動産の譲渡により、賃貸人たる地位が譲渡人から譲受人に移転した場合には、譲受人は、敷金の返還に係る譲渡人の債務を承継する。 イ Aに対して甲建物を賃貸している甲建物の所有者BがCに対して甲建物を譲渡し、B及びCが、賃貸人たる地位をBに留保する旨及び甲建物をCがBに賃貸する旨の合意をした後、CがBの債務不履行を理由としてBC間の賃貸借を解除したときは、Cは、Bとの間の賃貸借が終了したことを理由として、Aに対し、甲建物の明渡しを請求することができる。 ウ 賃借人の責めに帰すべき事由によって賃借物の一部が滅失し、使用及び収益をすることができなくなった場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、賃貸借の解除をすることができる。 エ 賃借物の修繕が必要である場合において、急迫の事情があるときは、賃借人は、賃貸人に修繕が必要である旨を通知しなくても、直ちにその修繕をすることができる。 オ 賃借人は、賃貸人に対し、賃料債務を履行しなかったときは、賃貸借が終了する前であっても、敷金をその弁済に充てることを請求することができる。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アウ
  3. 3イオ
  4. 4ウエ
  5. 5エオ

正解

3. イオ

詳しい解説を見る

解説

正解は「イオ」。ア=正しい。賃貸人たる地位が譲受人に移転したときは、敷金の返還に係る債務および費用の償還に係る債務は譲受人が承継する(民法605条の2第4項)。イ=誤り。民法605条の2第2項は、譲渡人および譲受人の合意により賃貸人たる地位を譲渡人に留保することができるとしつつ、その後、譲渡人と譲受人との間の賃貸借が終了したときは、賃貸人たる地位は譲受人に移転すると定める。BC間の賃貸借が解除により終了した以上、賃貸人たる地位はCに移転してCがAの賃貸人となるから、CがAに明渡しを求めることはできない。ウ=正しい。民法611条2項は、賃借物の一部が滅失その他の事由により使用および収益をすることができなくなった場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は契約の解除をすることができると定める。同条1項の賃料の当然減額が賃借人に帰責事由がない場合に限られるのと異なり、2項には帰責事由による限定がない。エ=正しい。民法607条の2は、賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知しまたは賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず相当の期間内に必要な修繕をしないとき(1号)、または急迫の事情があるとき(2号)は、賃借人がその修繕をすることができると定める。2号の場合に通知は要求されていない。オ=誤り。民法622条の2第2項は、賃貸人は賃借人が債務を履行しないときに敷金を充当することができるとしつつ、賃借人は賃貸人に対し敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができないと定める。充当するかどうかは賃貸人の判断に委ねられる。したがって誤っているのはイとオである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午前の部 第19問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

民法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。