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不動産登記法難易度: 2025年度

司法書士 過去問不動産登記法 第211問

問題

甲土地の所有権の登記名義人であるAが死亡した場合において、遺言執行者が指定され、又は選任されたときの甲土地についての登記の手続に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。なお、受遺者は、Aの相続人でない者とし、いずれの遺言書も遺言書保管所に保管されていないものとする。 ア Aが「甲土地をBに遺贈し、遺言執行者としてCを指定する。」旨の自筆証書による遺言をした後、甲土地についてAからDへの売買を原因とする所有権の移転の登記がされたが、錯誤を原因とする当該登記の抹消がされ、その後、Aが死亡した。この場合には、Cは、当該遺言書を添付情報として提供したときであっても、Bと共同して遺贈を原因とする所有権の移転の登記を申請することができない。 イ Aが「甲土地をBに遺贈する。」旨の遺言をした後、Aが死亡し、家庭裁判所が遺言執行者Cを選任した場合において、Cが、遺言執行者の権限を証する情報としてその審判書を提供し、Bと共同して遺贈を原因とする所有権の移転の登記を申請するときは、Aの死亡を証する情報を提供することを要しない。 ウ Aが「甲土地をBに遺贈し、遺言執行者としてCを指定する。」旨の遺言をしたが、Cについてはその氏名のみが遺言書に記載されていた場合において、Aが死亡し、Cが遺贈を原因とするAからBへの所有権の移転の登記を申請するときは、Cは、当該遺言書に加えて、Cが家庭裁判所により遺言執行者として選任されたことを証する情報を提供することを要する。 エ Aが「甲土地をBに遺贈し、遺言執行者としてCを指定する。」旨の遺言をしたが、Aが死亡した後、甲土地について遺贈を原因とする所有権の移転の登記がされないまま、Cが死亡した場合において、Bが「甲土地をDに遺贈し、遺言執行者としてEを指定する。」旨の遺言をし、その後、Bが死亡したときは、Eは、Aの相続人全員と共同してAからBへの所有権の移転の登記を申請することができる。 オ Aが「甲土地をBに遺贈し、遺言執行者としてCを指定する。」旨の自筆証書による遺言をした場合において、Aが死亡し、CがBと共同して遺贈を原因とする所有権の移転の登記の申請をするときは、遺言執行者の権限を証する情報として家庭裁判所が作成した遺言書の検認調書の謄本を提供することができる。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5エオ

正解

1. アウ

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解説

正解は「アウ」。ア=誤り。遺言の後にされた売買による所有権移転の登記が錯誤を原因として抹消されている以上、甲土地は遺言者Aの所有に復しており、遺言が撤回されたものとみなされる事由(民法1023条2項の抵触する処分行為)も終局的には存在しない。したがって遺言執行者Cは、遺言書を添付情報として提供して受遺者Bと共同で遺贈を原因とする所有権の移転の登記を申請することができる。イ=正しい。家庭裁判所が遺言執行者を選任するのは遺言者の死亡後であるから、その選任の審判書を提供すれば遺言者Aが死亡していることは当然に明らかとなる。したがって別途Aの死亡を証する情報を提供する必要はない。ウ=誤り。遺言によって遺言執行者として指定された者は、その氏名のみが記載されていても、遺言書の記載から特定できる限り遺言執行者としての地位を有する。家庭裁判所の選任は、遺言執行者がないとき等に行われるもの(民法1010条)であって、遺言で指定されている以上その選任を証する情報を提供する必要はない。エ=正しい。遺言執行者Cが死亡した場合、AからBへの遺贈の登記はBの相続人が申請することとなるが、Bもまた遺言により遺言執行者Eを指定して死亡している。Eは受遺者Bの地位を承継した者のために職務を行うから、Aの相続人全員と共同してAからBへの所有権の移転の登記を申請することができる。オ=正しい。自筆証書遺言については家庭裁判所の検認が必要であり(民法1004条1項)、遺言執行者の権限を証する情報として、遺言書に加えて検認調書の謄本を提供することができる。したがって誤っているのはアとウである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午後の部 第22問)

一問一答

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