診断士に戻る
経済学・経済政策難易度:

中小企業診断士 一問一答経済学・経済政策 第292問

問題

外部性の問題は、当事者間の交渉で解決できるとする定理を何というか?

選択肢

  1. 1コースの定理
  2. 2アローの不可能性定理
  3. 3厚生経済学の第一定理
  4. 4ナッシュの交渉解

正解

1. コースの定理

詳しい解説を見る

解説

工場の騒音や煙害のような外部性(取引の当事者以外に及ぶ迷惑や恩恵)の問題は、政府が税や規制で介入しなくても、当事者同士の話し合い=自発的な交渉で解決できる場合がある——これを示すのが「コースの定理」です。 たとえば、騒音を出す工場と、それに悩む隣の住民。コースの定理によれば、「静かに暮らす権利」が住民にあろうと、「操業する権利」が工場にあろうと、どちらに権利があるかにかかわらず、当事者が交渉すれば最終的に同じ効率的な結果(社会的に望ましい騒音の量)に落ち着く、というのです。権利が住民にあれば工場が補償金を払って一部操業する、工場にあれば住民が静けさを買い取る、という形で、交渉を通じて外部性が価格に組み込まれる(内部化される)わけです。 ただし、これが成り立つには厳しい前提があります。第一に取引費用がゼロ(交渉や契約のコストがかからない)であること、第二に誰がどの権利を持つか(所有権・権利の所在)が明確であること。現実には当事者が多数いたり、交渉コストが大きかったりして成立しにくく、だからこそ政府の介入(ピグー税など)が必要になる場面も多い、という限界も併せて理解しておきましょう。他の選択肢では、厚生経済学の第一定理は競争市場の均衡がパレート最適という別の定理、アローの不可能性定理は理想的な社会的決定ルールが存在しないという定理、ナッシュの交渉解は協力ゲームの解の一つ。コースの定理=「取引費用ゼロ・権利が明確なら、交渉で外部性が内部化される」と覚えましょう。

中小企業診断士トップ

一問一答・予想問題・まとめノート

経済学・経済政策の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では中小企業診断士の全7097問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。中小企業診断士は7科目すべてで6割を取る戦略が王道です。