問題
選択肢
- 1コースの定理
- 2アローの不可能性定理
- 3厚生経済学の第一定理
- 4ナッシュの交渉解
正解
1. コースの定理
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
工場の騒音や煙害のような外部性(取引の当事者以外に及ぶ迷惑や恩恵)の問題は、政府が税や規制で介入しなくても、当事者同士の話し合い=自発的な交渉で解決できる場合がある——これを示すのが「コースの定理」です。 たとえば、騒音を出す工場と、それに悩む隣の住民。コースの定理によれば、「静かに暮らす権利」が住民にあろうと、「操業する権利」が工場にあろうと、どちらに権利があるかにかかわらず、当事者が交渉すれば最終的に同じ効率的な結果(社会的に望ましい騒音の量)に落ち着く、というのです。権利が住民にあれば工場が補償金を払って一部操業する、工場にあれば住民が静けさを買い取る、という形で、交渉を通じて外部性が価格に組み込まれる(内部化される)わけです。 ただし、これが成り立つには厳しい前提があります。第一に取引費用がゼロ(交渉や契約のコストがかからない)であること、第二に誰がどの権利を持つか(所有権・権利の所在)が明確であること。現実には当事者が多数いたり、交渉コストが大きかったりして成立しにくく、だからこそ政府の介入(ピグー税など)が必要になる場面も多い、という限界も併せて理解しておきましょう。他の選択肢では、厚生経済学の第一定理は競争市場の均衡がパレート最適という別の定理、アローの不可能性定理は理想的な社会的決定ルールが存在しないという定理、ナッシュの交渉解は協力ゲームの解の一つ。コースの定理=「取引費用ゼロ・権利が明確なら、交渉で外部性が内部化される」と覚えましょう。
中小企業診断士トップ
一問一答・予想問題・まとめノート