問題
選択肢
- 1A 社は、B 社との間で契約を締結していないことから、B 社に生じた損害を一切賠償する必要はない。
- 2A 社は B 社に対し、契約締結の準備段階における信義則上の注意義務に基づいて、B 社が実際に当該機器の開発・製造のために調達した部品の代金の全部又はその一部を賠償しなければならない。
- 3A 社は B 社に対し、契約を締結しなかったという債務不履行責任に基づいて、実際に B 社が A 社に当該機器を販売した場合に得られるべき利益を賠償しなければならない。
- 4A 社は B 社に対し、その代表者が刑事訴追を受けたという不法行為責任に基づいて、B 社に生じた損害を賠償しなければならない。
正解
2. A 社は B 社に対し、契約締結の準備段階における信義則上の注意義務に基づいて、B 社が実際に当該機器の開発・製造のために調達した部品の代金の全部又はその一部を賠償しなければならない。
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
本問は「契約締結上の過失」の典型事例です。判例上、契約締結交渉が進み、相手方が契約成立を信頼して準備行為を行うのが相当な段階に至った後に、一方的・不当に交渉を破棄して相手方に損害を与えた場合、信義則上の注意義務違反として、相手方が信頼によって被った損害(信頼利益)を賠償する責任を負います。本問ではA社はB社が前倒しで準備していることを把握し納期確認までしており、契約締結への合理的期待が形成されていたため、A社は信義則上の注意義務違反に基づき、B社が実際に調達した部品代金等の信頼利益を賠償する義務があります。よってイが最も適切です。アは責任を完全に否定するため誤り、ウは契約不成立のため債務不履行責任は問えず履行利益は対象外、エは代表者個人の刑事訴追はA社のB社に対する不法行為に該当しないため誤りです。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成21年度 中小企業診断士1次試験 経営法務第15問)
中小企業診断士トップ
一問一答・予想問題・まとめノート