問題
中小企業診断士であるあなたは、顧客である A 株式会社(以下「A 社」という。)の代表取締役 X 氏と話をしていた際、以下のアドバイスを行った。そのアドバイスに対応する X 氏の話の内容として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、A 社は、取締役会設置会社であり、株主は30名である。 【あなたのアドバイス】 「これから作成しようとしている契約書の内容は、会社法に定める自己取引(利益相反取引)に該当しますから、取締役会の承認が必要だと思いますよ。」
選択肢
- 1会社のトラックを1台買い替えることになって、中古車でかなり状態がいいのが見つかったんだけど、20万円だけ予算をオーバーしててね。それで、私が会社に、無利息・無担保で、返済は資金繰りに余裕ができたときという内容で20万円を貸すことになって、今、その契約書を作っているんだ。
- 2会社本社の土地は、私名義の土地で会社に貸していたんだけど、借地料は何十年も据え置きにしていたんだ。でも、その間に、固定資産税額が上がって、借地料だけでは足りなくなったんだ。だから、今回、借地料を固定資産税額の2倍の金額にすることになって、新しい契約書を作っているんだよ。
- 3当社支店の土地は、地主から借りていて、その土地に会社で建物を建てて使っていたんだけど、先日、地主からその土地を買ってくれないかと言われたんだ。ただ、会社の資金繰りだと難しいので、私個人でお金を出して私名義で買うということになったから、今、売買契約書を作ってもらっているんだ。
- 4私が代表取締役を兼務している B 社は、A 社の100パーセント子会社で、C 社から機械をリースしていたんだけど、今度、C 社から承諾をもらって、A 社で B 社からリースを受けることにしたんだ。今、A 社と B 社の契約書を作っているんだけど、リース料やリース期間なども含め、B 社と C 社のリース契約と全く同じ内容にすることになったんだ。
正解
2. 会社本社の土地は、私名義の土地で会社に貸していたんだけど、借地料は何十年も据え置きにしていたんだ。でも、その間に、固定資産税額が上がって、借地料だけでは足りなくなったんだ。だから、今回、借地料を固定資産税額の2倍の金額にすることになって、新しい契約書を作っているんだよ。
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
会社法356条1項の利益相反取引は、取締役が当事者となる、または会社を代表して第三者と行う取引で、会社の利益を害するおそれがあるものです。イは取締役(X氏)と会社(A社)との間の借地契約の変更で、X氏が直接の取引当事者となり、A社の利益を害するおそれがあるため利益相反取引に該当し、取締役会の承認が必要です。アは取締役が会社に無利息で貸す(会社に有利)ため不要、ウは取締役個人が第三者から購入する取引で会社は当事者でないため不要、エはX氏は両社の代表取締役ですが、100%子会社との同条件の取引で利益相反性が否定されます。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成21年度 中小企業診断士1次試験 経営法務第5問)
中小企業診断士トップ
一問一答・予想問題・まとめノート