問題
企業は技術の発展にともなって、しばしば研究開発組織をダイナミックに組み替えたり、研究開発の仕組みに工夫をしている。そのような状況に関する記述のうち、製品開発戦略の展開に結びつく研究開発組織のあり方として、最も不適切なものはどれか。
選択肢
- 1技術ごとの機能分化が進み過ぎたので、市場が求める製品のニーズに沿って技術部門を再編するとともに、営業部門との協議を開くことにしている。
- 2技術的に複雑な製品が増えてきたので、プロダクトチームのほかに技術分野ごとの機能別チームを再び編成し、開発段階に沿って機能別チームがプロダクトチームと連携することにしている。
- 3製品開発のプロジェクトリーダーには、専門的な技術知識とともにチームをまとめるマネジメント能力や人間性を重視して任命している。
- 4製品ごとに開発担当者をおき、その下に開発チームを編成し、開発が終わった段階で担当者およびチーム参加者は解散することにしている。
- 5中央研究所を見直して担当を開発研究に絞り込み、外部と取引や技術交流のある生産技術部門や営業部門に基礎研究を移管している。
正解
5. 中央研究所を見直して担当を開発研究に絞り込み、外部と取引や技術交流のある生産技術部門や営業部門に基礎研究を移管している。
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解説
中央研究所の役割を見直すこと自体は近年の趨勢として一定の合理性があるが、基礎研究を「外部と取引や技術交流のある生産技術部門や営業部門に移管する」のは方向が逆である。基礎研究は短期事業から距離をおいて長期視点で取り組むべき性格を持ち、顧客接点や生産現場の制約と密に関わる部門に置くと、短期業績圧力で基礎研究が消滅しがちで、長期の技術蓄積が失われる。一般的には基礎研究は中央研究所など長期視点を持ちうる組織で扱い、応用・開発研究を事業部門に近づけるのが定石である。よってオが最も不適切。アは機能別組織の弊害を製品志向で是正する方向で適切。イは複雑製品に対しマトリクス型でプロダクトチームと機能別チームを連携させる工夫で適切。ウはプロジェクトリーダーの要件として技術力+マネジメント力を重視するのは適切。エはプロジェクト型組織のスタンダードな運用で、開発終了後に解散する形態は新たな製品開発に柔軟に対応できる組織のあり方として適切。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第4問)
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