問題
ある程度歴史を持った企業同士が、買収や合併をうまく遂行して高い成果に結びつけていくためには、事前にそれぞれの企業の組織文化、観察可能な人工物や標榜されている価値観レベルだけでなく、とくに暗黙に共有された仮定レベルの文化を明らかにしておく必要がある。このような組織文化を明らかにする方法として、最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1社員によるグループを構成し、そのメンバーたちに率直に組織文化について語りあってもらう。
- 2組織メンバー全員を対象に、どのような価値観を標榜しているかについて、質問紙調査法による調査を行う。
- 3その企業で重要な役割を果たしている個人に、どのような組織文化を持っていると思うかインタビューする。
- 4その企業の具体的な問題解決の場面に、外部のファシリテータを介入させ、メンバーが暗黙のうちに前提としている考え方を自ら気づくようにする。
正解
4. その企業の具体的な問題解決の場面に、外部のファシリテータを介入させ、メンバーが暗黙のうちに前提としている考え方を自ら気づくようにする。
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解説
E.H. シャインの組織文化論によれば、組織文化は3層構造(①観察可能な人工物、②標榜される価値観、③暗黙に共有された基本的仮定)からなり、最も深層の「暗黙に共有された基本的仮定」を明らかにすることが、組織文化を本質的に理解する鍵である。この深層は当事者自身が無意識下に保有しているため、質問紙調査やインタビューでは表層的な回答しか得られにくい。深層を顕在化させる方法として有効なのは、シャイン自身も推奨する「具体的な問題解決の場面に外部のファシリテータが介入し、メンバーが自分たちの無意識の前提に気づいていくプロセス」である。よってエが最も適切。アは社員グループでの語り合いは表層的な共通理解の確認に留まりがちで、深層仮定までは引き出しにくい。イは質問紙調査は標榜される価値観(第2層)の把握には有効だが、暗黙の仮定(第3層)には到達しない。ウは個人インタビューは標榜される価値観のレベルでの認識把握にはなるが、当人も無自覚な深層仮定までは引き出しにくい。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成22年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第17問)
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