問題
下図は、自然独占のケースを示したものである。D₀D₁は需要曲線、MRは限界収入曲線、ACは平均費用曲線、MCは限界費用曲線である。なお、平均可変費用曲線AVCは限界費用曲線と同一である。 この図の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a 限界費用に等しい価格付けを行うためには、四角形OP₂GQ₂に相当する補助金の交付や二部料金制の導入が必要になる。 b 限界費用に等しい価格付けを行う場合、価格はP₂、取引量はQ₂で示され、企業の利潤は四角形P₂GIJの赤字になり、これは固定費用に相当する。 c 独占下において、利潤を最大化にする価格はP₀、取引量はQ₀であり、全体の経済余剰は四角形P₀EFP₂になる。 d 平均費用に等しい価格付けを行う場合、価格はP₁、取引量はQ₁であり、企業の利潤はゼロになるから独立採算を実現する。

選択肢
- 1aとc
- 2aとd
- 3bとc
- 4bとd
正解
4. bとd
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解説
正解はエ(bとd)である。自然独占は規模の経済が強く働く産業(電力・水道・鉄道など)で、平均費用 AC が長期的に逓減し続けるため独占市場が効率的となるケース。限界費用価格形成(MC 価格付け)と平均費用価格形成(AC 価格付け)の両方法を比較する問題である。 b は正しい。MC = AVC のため、P = MC = P₂、Q = Q₂ で MR = MC を超えた水準まで生産する。AVC = MC なので可変費用は回収するが、AC > MC なので固定費用は回収できず、赤字幅は (AC − P₂) × Q₂ = 四角形 P₂GIJ となり、これが固定費用に相当する。 d は正しい。P = AC(AC 曲線上に価格を設定)の場合、価格 P₁、取引量 Q₁ で、収入=総費用となり利潤ゼロで「独立採算」が達成できる。実務上の公共料金規制(料金査定)の根拠となる方式である。 a は誤り。MC 価格付けで企業が被る赤字(=固定費用)の補填に必要な補助金額は「四角形 P₂GIJ」(赤字相当額)であり、「四角形 OP₂GQ₂」(収入総額)ではない。 c は誤り。独占下の利潤最大化は MR = MC で決まり、価格は P₀、取引量は Q₀ となる。ただし「全体の経済余剰」は消費者余剰 + 生産者余剰で、独占による死荷重損失(dead weight loss)が存在し、四角形 P₀EFP₂ はその余剰の正確な領域とはならない。 (出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成23年度 中小企業診断士1次試験 経済学・経済政策 第22問)
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