問題
完成品メーカーと部品供給メーカーとの企業間の取引には、常に競争と協調の両面が存在する。そのような企業間の取引で発生する事態についての記述として、最も不適切なものはどれか。
選択肢
- 1過剰な生産能力を持つ業界の部品メーカー A 社は、過小な生産能力の業界の部品メーカー B 社に比べて、高い利益率を獲得できる可能性は低くなる。
- 2部品メーカー C 社は、3社の完成品メーカー各社に同じ量の部品を独占的に供給しているが、その部品の生産ラインにトラブルが発生したため、生産量を長期にわたって減らさざるを得なくなったにもかかわらず、利益率はむしろ増加傾向に転じた。
- 3部品メーカー D 社は、供給先の完成品メーカー E 社との取引契約に、E 社が他の部品メーカーに乗り換える場合 D 社に打診するという条項を結んでいるので、値引き要求や競合他社との受注争奪で有利になる可能性が高くなった。
- 4部品メーカー F 社は、自社のみが生産できるある部品について取引の大きな完成品メーカー G 社と最も有利な条件を自動的に適用するという契約書を結んでいるが、このことが他の完成品メーカーにも知られた結果、各社の値引き要求に屈して利益が激減してしまった。
正解
4. 部品メーカー F 社は、自社のみが生産できるある部品について取引の大きな完成品メーカー G 社と最も有利な条件を自動的に適用するという契約書を結んでいるが、このことが他の完成品メーカーにも知られた結果、各社の値引き要求に屈して利益が激減してしまった。
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解説
F 社は「自社のみが生産できる」独占的供給能力を持つ部品メーカーであり、G 社と「最も有利な条件を自動的に適用する」契約(最恵国待遇条項)を結んでいる。この条件が他社に知られた場合、各社は G 社並みの優遇を要求するが、独占供給者である F 社は本来交渉力で優位に立てるはずである。値引き要求に屈して利益激減という結末は、独占供給能力を持つ F 社の交渉力の本質と矛盾し、最も不適切。アは過剰生産能力業界の収益性悪化で適切。イは独占供給かつ生産量減少で需給逼迫し、価格交渉力を活かして利益率向上したというシナリオで適切。ウは乗り換え時の打診条項(第一交渉権)による有利性で適切。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成23年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第8問)
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