問題
下図は、日本の家計貯蓄率の推移を表したものである。この図からは、可処分所得に対する貯蓄の比率が、2008年を底に回復していることが見てとれる。次の成長会計式を用いて、貯蓄が産出量に与える影響の説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 ΔY/Y = ΔA/A + α・ΔK/K + β・ΔL/L Y:産出量 A:全要素生産性 K:資本 L:労働 α:産出の資本に関する弾力性 β:産出の労働に関する弾力性

選択肢
- 1家計の貯蓄が、海外での投資に向かえば、それは成長会計式の右辺第1項 ΔA/A の値を増やし、国内産出量の増加につながる。
- 2家計の貯蓄が、海外での投資に向かえば、それは成長会計式の右辺第2項 α・ΔK/K の値を増やし、国内産出量の増加につながる。
- 3家計の貯蓄が、海外での投資に向かえば、それは成長会計式の右辺第3項 β・ΔL/L の値を増やし、国内産出量の増加につながる。
- 4家計の貯蓄が、国内での投資に向かえば、それは成長会計式の右辺第2項 α・ΔK/K の値を増やし、国内産出量の増加につながる。
- 5家計の貯蓄が、国内での投資に向かえば、それは成長会計式の右辺第3項 β・ΔL/L の値を増やし、国内産出量の増加につながる。
正解
4. 家計の貯蓄が、国内での投資に向かえば、それは成長会計式の右辺第2項 α・ΔK/K の値を増やし、国内産出量の増加につながる。
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解説
成長会計式は、産出量の成長率を全要素生産性(TFP)、資本ストック、労働投入の寄与に分解したもの。各記号の意味は、ΔA/Aは技術進歩、ΔK/Kは資本ストックの成長率、ΔL/Lは労働投入の成長率。 家計の貯蓄は、それが「国内」の投資に向けられた場合に限り、国内の資本ストックKを増加させる。Kの増加はΔK/Kを大きくし、α・ΔK/Kの値を増やすことで国内産出量の増加につながる。よってエが正しい。 ア・イ・ウ:貯蓄が「海外での投資」に向かう場合、それは海外の資本ストックを増加させるため、国内のKには寄与しない。よって国内産出量の増加につながらない。 オ:貯蓄が国内投資に向かうのは正しい方向性だが、それが影響するのは資本ストックK(第2項)であり、労働L(第3項)ではない。よって誤り。 したがって正解はエ。新古典派成長理論における貯蓄→投資→資本蓄積→産出量増加のメカニズムを理解しておくことが重要。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成24年度 中小企業診断士1次試験 経済学・経済政策 第11問)
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