問題
下図は、2つの財(X財とY財)のみを消費する消費者の効用最大化行動を描いたものである。当初の予算制約線はABで与えられ、効用を最大にする消費量の組み合わせは、無差別曲線U1との接点すなわち座標(G,E)として与えられている。このとき、X財の価格が下落し予算制約線がACへと変化すると、効用を最大にする消費量の組み合わせは無差別曲線U2との接点すなわち座標(I,D)へと変化する。なお、補助線(破線)は、予算制約線ACと同じ傾きを持ち、無差別曲線U1と接するものとする。 この図の説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

選択肢
- 1X財に生じた所得効果は線分HIの長さで測られ、Y財に生じた所得効果は線分EFの長さで測られる。
- 2X財の価格の低下は、X財の消費量の減少を引き起こしている。
- 3X財はギッフェン財である。
- 4Y財に生じた所得効果の絶対値は、Y財に生じた代替効果の絶対値よりも大きい。
- 5座標(H,F)の効用水準は、座標(G,E)の効用水準よりも低い。
正解
4. Y財に生じた所得効果の絶対値は、Y財に生じた代替効果の絶対値よりも大きい。
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解説
所得効果と代替効果の分解(スルツキー分解)の図的理解を問う問題。 図の構造: ・当初均衡点:(G,E)on U1 ・最終均衡点:(I,D)on U2 ・補助線との接点(代替効果のみを抽出した点):(H,F)on U1 【X財】総効果 = G → I。代替効果 = G → H、所得効果 = H → I。 【Y財】総効果 = E → D。代替効果 = E → F(F<E:X財が安くなり相対的にY財購入を減らす)、所得効果 = F → D(D>E:実質所得増でY財購入増)。 エ:Y財の所得効果の絶対値(|F→D| = D−F)と、代替効果の絶対値(|E→F| = E−F)を比較すると、図ではDがEよりも上にあり、D−F>E−Fが成立する。所得効果>代替効果。これは正しい。 ア:X財の所得効果は線分HIではなく(GHIの分解上)正しいが、Y財の所得効果は線分EFではなく線分FD(補助線との接点(H,F)から最終点(I,D)への移動分)。よって誤り。 イ:X財の価格低下で消費量はGからIに「増加」しているので「減少」は誤り。 ウ:ギッフェン財は価格低下で消費量が減少する財だが、図ではX財の消費が増えているのでギッフェン財ではない。 オ:補助線上の(H,F)は無差別曲線U1上にあり、(G,E)と同一の効用水準。「低い」は誤り。 よって正解はエ。スルツキー分解は図的に習熟しておくことが重要。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成24年度 中小企業診断士1次試験 経済学・経済政策 第17問)
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