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経営法務難易度: 2014年度

中小企業診断士 過去問経営法務 第18問

問題

会社分割(吸収分割を前提とする)と事業譲渡の相違に関する記述として最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. 1会社分割では吸収分割契約の内容を記録した書面又は電磁的記録を本店に備え置かなければならないが、事業譲渡ではこのような制度はない。
  2. 2会社分割では適法に債権者保護手続を経ることで対象事業の債務を移転させることができるが、事業譲渡では個々の債権者から同意を得ずに債務を移転させることができる。
  3. 3会社分割では分割会社が取得している許認可は承継することができないが、事業譲渡ではそれを承継することができる。
  4. 4会社分割では分割承継資産の対価として承継会社の株式を発行しなければならないが、事業譲渡の対価は金銭に限られる。

正解

1. 会社分割では吸収分割契約の内容を記録した書面又は電磁的記録を本店に備え置かなければならないが、事業譲渡ではこのような制度はない。

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解説

アが正解。吸収分割の場合、会社法782条1項・794条1項・803条1項等により、吸収分割契約その他法定の書面又は電磁的記録を「事前開示書類」として本店に備え置く必要があり、株主・債権者の閲覧に供する制度がある(事前開示・事後開示)。一方、事業譲渡は会社の取引行為(契約)にすぎず、組織法的手続としての書類備置義務は会社法上規定されていない。したがって本選択肢は正しい。 イは誤り。会社分割では債権者保護手続(会社法789条・799条等)を経て対象事業の債務を承継会社等に移転させることができ、債務移転には個別債権者の同意は不要。一方、事業譲渡で債務を移転する場合は、債権者の個別同意が必要(民法472条以下の免責的債務引受の規律、あるいは併存的引受の場面でも譲渡時に個別調整が必要)であり、本選択肢は会社分割と事業譲渡の説明が逆になっている。 ウも誤り。会社分割でも事業譲渡でも、許認可の承継可否は個別法令の規律によって決まり、両者ともに「常に承継できる/できない」と一律に決まるわけではない(許認可の種類や所管官庁の規律による)。一般的には、事業譲渡では原則として許認可は承継されず(買主が新規取得する必要があるケースが多い)、会社分割でも個別法令で承継規定が置かれているもののみ承継される。本選択肢の説明は逆方向の単純化であり誤り。 エも誤り。吸収分割の対価は承継会社の株式に限られず、社債・新株予約権・金銭等を交付することもできる(会社法758条4号)。事業譲渡の対価も金銭に限定されず、株式や債券での支払いも当事者の合意で可能。よってアが適切。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成26年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第18問)

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