問題
選択肢
- 1A社がB社に売却した機械αの代金が、弁済期の到来にもかかわらず支払われていない状況で、B社がCに機械αを売却した場合、A社が機械αを引き渡さず占有しているとしても、機械αは債務者であるB社の所有物ではなくなったことから、A社は機械αについて留置権を主張することができない。
- 2A社がB社に売却した部品αの代金が、弁済期の到来にもかかわらず支払われていない場合に、A社がB社に部品αを引き渡したとしても、A社は部品αについて留置権を主張することができる。
- 3A社がB社に売却した不動産αの代金が、弁済期の到来にもかかわらず支払われていない場合でも、A社がB社に不動産αの登記を移転してしまうと、A社は不動産αについて留置権を第三者に対抗できない。
- 4店舗で販売するために小売業者であるB社が卸売業者であるA社から購入した商品αの代金が、弁済期の到来にもかかわらず支払われていない場合に、A社がB社から売買代金を受領し、引き渡すだけの状態にある商品βについて、A社は留置権を主張することができる。
正解
4. 店舗で販売するために小売業者であるB社が卸売業者であるA社から購入した商品αの代金が、弁済期の到来にもかかわらず支払われていない場合に、A社がB社から売買代金を受領し、引き渡すだけの状態にある商品βについて、A社は留置権を主張することができる。
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解説
商事留置権(商法521条)は、商人間の双方的商行為によって生じた債権について、債務者の所有する物を当該債権の弁済を受けるまで留置できる権利。「牽連性不要」が民事留置権との大きな違いで、債権と留置物が別個の取引から生じていても成立する。本選択肢では商品αの代金未払債権と、引渡し待ち状態の商品β(B社のため代金受領済みでA社が占有中)について、双方が商人間の商行為から生じており、商事留置権が成立する。よってエが適切。アは民法295条1項の民事留置権の要件として留置物が「他人の物」であれば足り、債務者所有である必要はない(最判昭和47.11.16参照、商事留置権は債務者所有要件あり)が、機械の代金債権との牽連性が認められれば民事留置権の主張は可能。イは留置権は占有を喪失すると消滅する(民法302条)ため、引渡し後は留置権を主張できない。ウは不動産留置権は登記不要で、占有を継続すれば第三者にも対抗できる。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 平成29年度 中小企業診断士1次試験 経営法務 第16問)
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