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企業経営理論・マーケティング難易度: 標準2022年度

中小企業診断士 過去問企業経営理論・マーケティング 第2問

問題

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 T社が製造し販売する製品は、プライベートでもオフィスでも着ることができるカジュアルな衣料ブランドとして、ターゲットである20代〜30代前半の女性を中心に人気を集めている。しかし、近年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、人々のプライベートでの外出機会が減り、同時に勤務形態にもリモートワークが普及したため、T社では消費者が同社製品に対して感じる価値やその価格の意味について、改めて調査を行う必要を感じている。同社では、このような調査を通じて当該製品の価格について見直す必要があるかもしれないと考えていた。 (設問2)文中の下線部②(当該製品の価格について見直す)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. 1企業が製品につける価格を通じて消費者にメッセージを送ることを、価格シグナリングと呼ぶ。例えば、実際には低品質なのに高価格をつけることにより高品質であるように見せることは価格シグナリングに含まれるが、製品にセール価格をつけることは価格シグナリングではない。
  2. 2消費者が特定の製品に関して感じる価格幅の中間値を留保価格と呼び、企業は自社のそれぞれの製品の留保価格を考慮して実際の価格を設定することが望ましい。
  3. 3浸透価格とは、一般的には一気に市場シェアを獲得するためにつけられる低価格を指し、市場シェアを獲得するためには、慢性的に赤字を出すほどの低価格をつける。
  4. 4別々の製品をセットにして、個々の製品の合計価格より安く販売する価格アンバンドリングでは、セットで販売される製品の間に互換性があるほど、消費者のお買い得感が増す。
  5. 5本体と消耗品を組み合わせて使用する製品で、本体を低価格で、消耗品を高価格で販売することをキャプティブ・プライシングと呼ぶ。本体を低価格で販売することによる赤字を回収するためとはいえ、消耗品の価格を高く設定しすぎることは通常避ける必要がある。

正解

5. 本体と消耗品を組み合わせて使用する製品で、本体を低価格で、消耗品を高価格で販売することをキャプティブ・プライシングと呼ぶ。本体を低価格で販売することによる赤字を回収するためとはいえ、消耗品の価格を高く設定しすぎることは通常避ける必要がある。

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解説

オはキャプティブ・プライシング(captive pricing:補完財価格戦略)に関する適切な記述で正しい。プリンター本体と純正インク、ゲーム機本体とソフト、髭剃り本体と替刃等が典型例。本体を低価格・赤字覚悟で普及させ、補完財(消耗品)の継続購入で利益回収する。ただし消耗品価格が過剰に高いと消費者の不満や互換品への流出を招くため、適度な価格設定が必要。アの価格シグナリングはセール価格による「お得感」「期間限定の魅力」を伝えることも含む広範な概念。イは「留保価格(reservation price)」は消費者が支払う意思のある最大価格(上限値)を指し、価格幅の中間値ではない。ウの浸透価格は低価格でシェアを獲得する戦略だが、「慢性的赤字を出すほどの低価格」までは想定せず、規模の経済・経験曲線で将来的に利益化することを前提とする(持続不可能な赤字価格は略奪的価格として独禁法上問題となる)。エは「価格アンバンドリング」ではなく「価格バンドリング(抱き合わせ販売)」の説明。アンバンドリング(分割販売)はバンドリングの反対概念で個別単品販売を指す。(出典: 一般社団法人 中小企業診断協会 令和4年度 中小企業診断士1次試験 企業経営理論 第29問 設問2)

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