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行政法難易度: 標準2021年度

行政書士 過去問行政法 第20問

問題

法の一般原則に関わる最高裁判所の判決に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

選択肢

  1. 1地方公共団体が、将来にわたって継続すべき一定内容の施策を決定した場合、その後社会情勢が変動したとしても、当該施策を変更することは住民や関係者の信頼保護の観点から許されないから、当該施策の変更は、当事者間に形成された信頼関係を不当に破壊するものとして、それにより損害を被る者との関係においては、違法となる。
  2. 2租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係においては、租税法規に適合する課税処分について、法の一般原則である信義則の法理の適用がなされることはなく、租税法規の適用における納税者の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合であっても、課税処分が信義則の法理に反するものとして違法となることはない。
  3. 3法の一般原則として権利濫用の禁止が行政上の法律関係において例外的に適用されることがあるとしても、その適用は慎重であるべきであるから、町からの申請に基づき知事がなした児童遊園設置認可処分が行政権の著しい濫用によるものであっても、それが、地域環境を守るという公益上の要請から生じたものである場合には、当該処分が違法とされることはない。
  4. 4地方自治法により、金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利につきその時効消滅については援用を要しないとされているのは、当該権利の性質上、法令に従い適正かつ画一的にこれを処理することが地方公共団体の事務処理上の便宜および住民の平等的取扱の理念に資するものであり、当該権利について時効援用の制度を適用する必要がないと判断されたことによるものと解されるから、普通地方公共団体に対する債権に関する消滅時効の主張が信義則に反し許されないとされる場合は、極めて限定されるものというべきである。
  5. 5国家公務員の雇傭関係は、私人間の関係とは異なる特別の法律関係において結ばれるものであり、国には、公務の管理にあたって公務員の生命および健康等を危険から保護するよう配慮する義務が認められるとしても、それは一般的かつ抽象的なものにとどまるものであって、国家公務員の公務上の死亡について、国は、法律に規定された補償等の支給を行うことで足り、それ以上に、上記の配慮義務違反に基づく損害賠償義務を負うことはない。

正解

4. 地方自治法により、金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利につきその時効消滅については援用を要しないとされているのは、当該権利の性質上、法令に従い適正かつ画一的にこれを処理することが地方公共団体の事務処理上の便宜および住民の平等的取扱の理念に資するものであり、当該権利について時効援用の制度を適用する必要がないと判断されたことによるものと解されるから、普通地方公共団体に対する債権に関する消滅時効の主張が信義則に反し許されないとされる場合は、極めて限定されるものというべきである。

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解説

正解は4(妥当なもの)。最判平成元年(地方公共団体に対する債権の消滅時効)等は、地方自治法236条が金銭債権につき時効援用を要しないとした趣旨を、適正・画一的処理と住民の平等的取扱いに求め、消滅時効の主張が信義則に反し許されない場合は極めて限定されるとした。よって4が正しい。1は誤り。宜野座村工場誘致事件(最判昭和56年1月27日)は施策変更も一定要件で許容され、信頼侵害が違法となり得るにとどまるとした。2も誤り。最判昭和62年10月30日は租税法律関係にも特別の事情があれば信義則の適用余地を認める。3は誤り。最判昭和53年(児童遊園認可)は行政権の著しい濫用にあたる処分を違法とした。5も誤り。国は安全配慮義務違反に基づく損害賠償義務を負い得る(最判昭和50年2月25日)。(出典: 令和3年度 行政書士試験 問題8)

一問一答

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