問題
薬局を営むXは、インターネットを介した医薬品の通信販売を始めたが、法律は一定の種類の医薬品の販売については、薬剤師が対面で情報の提供および薬学的知見に基づく指導を行うことを求めている。そこでXは、この法律の規定が違憲であり、この種の医薬品についてもネットで販売する権利が自らにあることを主張して出訴した。この問題に関する最高裁判所の判決の趣旨として、妥当なものはどれか。
選択肢
- 1憲法22条1項が保障するのは職業選択の自由のみであるが、職業活動の内容や態様に関する自由もまた、この規定の精神に照らして十分尊重に値する。後者に対する制約は、公共の福祉のために必要かつ合理的なものであることを要する。
- 2規制の合憲性を判断する際に問題となる種々の考慮要素を比較考量するのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、規制措置の内容や必要性・合理性については、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、裁判所はこれを尊重する。
- 3本件規制は、専らインターネットを介して販売を行う事業者にとっては職業選択の自由そのものに対する制限を意味するため、許可制の場合と同様にその必要性・合理性が厳格に審査されなければならない。
- 4本件規制は、国民の生命および健康に対する危険の防止という消極目的ないし警察目的のための規制措置であり、この場合は積極目的の場合と異なり、基本的人権への制約がより小さい他の手段では立法目的を達成できないことを要する。
- 5本件規制は、積極的な社会経済政策の一環として、社会経済の調和的発展を目的に設けられたものであり、この種の規制措置については、裁判所は立法府の政策的、技術的な裁量を尊重することを原則とする。
正解
2. 規制の合憲性を判断する際に問題となる種々の考慮要素を比較考量するのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、規制措置の内容や必要性・合理性については、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、裁判所はこれを尊重する。
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解説
正解は2。本問は医薬品ネット販売規制をめぐる職業活動規制の事案で、最高裁の判決趣旨として妥当なのは、規制の合憲性判断にあたり諸要素を比較考量するのは第一次的に立法府の権限・責務であり、規制内容や必要性・合理性が立法府の合理的裁量の範囲にとどまる限り裁判所はこれを尊重するとした2である。1は職業選択の自由のみが保障されるとする点が誤り(職業遂行の自由も22条1項で保障される)。3・4は規制目的二分論を機械的に当てはめて厳格審査・より制限的でない手段の基準を当然に要求する点が本判決の趣旨と整合しない。5は本件を積極的社会経済政策の規制と性格づける点が妥当でない。(出典: 令和4年度 行政書士試験 問題4)
一問一答
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