問題
適正手続に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
選択肢
- 1告知、弁解、防御の機会を与えることなく所有物を没収することは許されないが、貨物の密輸出で有罪となった被告人が、そうした手続的保障がないままに第三者の所有物が没収されたことを理由に、手続の違憲性を主張することはできない。
- 2憲法は被疑者に対して弁護人に依頼する権利を保障するが、被疑者が弁護人と接見する機会の保障は捜査権の行使との間で合理的な調整に服さざるを得ないので、憲法は接見交通の機会までも実質的に保障するものとは言えない。
- 3審理の著しい遅延の結果、迅速な裁判を受ける被告人の権利が害されたと認められる異常な事態が生じた場合であっても、法令上これに対処すべき具体的規定が存在しなければ、迅速な裁判を受ける権利を根拠に救済手段をとることはできない。
- 4不利益供述の強要の禁止に関する憲法の保障は、純然たる刑事手続においてばかりだけでなく、それ以外にも、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続には、等しく及ぶ。
- 5不正な方法で課税を免れた行為について、これを犯罪として刑罰を科すだけでなく、追徴税(加算税)を併科することは、刑罰と追徴税の目的の違いを考慮したとしても、実質的な二重処罰にあたり許されない。
正解
4. 不利益供述の強要の禁止に関する憲法の保障は、純然たる刑事手続においてばかりだけでなく、それ以外にも、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続には、等しく及ぶ。
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解説
正解は4。不利益供述強要の禁止(自己負罪拒否特権)の保障は、純然たる刑事手続だけでなく、実質上刑事責任追及のための資料取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続にも等しく及ぶ(川崎民商事件・最大判昭和47年)。これと整合する4が妥当。1は第三者所有物没収につき被告人も手続の違憲性を主張できるとした判例(最大判昭和37年)に反する。2は接見交通権の機会保障を否定する点で誤り。3は迅速な裁判を受ける権利を根拠に明文規定なしに救済(免訴)を認めた高田事件判例に反する。5は刑罰と加算税の併科は二重処罰に当たらないとする判例に反する。(出典: 令和4年度 行政書士試験 問題5)
一問一答
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