問題
Aは、BにCから贈与を受けた動産甲を売却する旨の契約(以下「本件契約」という。)をBと締結したが、引渡し期日が過ぎても動産甲の引渡しは行われていない。この場合についての次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
選択肢
- 1本件契約に「Cが亡くなった後に引き渡す」旨が定められていた場合、Cの死亡後にBから履行請求があったとしても、Aが実際にCの死亡を知るまではAの履行遅滞の責任は生じない。
- 2動産甲が、契約締結前に生じた自然災害により滅失していたために引渡しが不能である場合、本件契約は、その成立の時に不能であるから、Aは、Bに履行の不能によって生じた損害を賠償する責任を負わない。
- 3動産甲の引渡しについて、Aが履行補助者であるDを用いた場合、Dの過失により甲が滅失し引渡しができないときには、Aに当然に債務不履行責任が認められる。
- 4動産甲が本件契約締結後引渡しまでの間にA・B双方の責めに帰すことができない事由によって滅失したときは、Aの引渡し債務は不能により消滅するが、Bの代金債務は消滅しないから、Bは、Aからの代金支払請求に応じなければならない。
- 5Aが本件契約に基づき動産甲をBのもとに持参して引き渡そうとしたが、Bがその受領を拒んだ場合、その後にA・B双方の責めに帰すことができない事由によって甲が滅失したときは、Bは、本件契約の解除をすることも、Aからの代金支払請求を拒絶することもできない。
正解
5. Aが本件契約に基づき動産甲をBのもとに持参して引き渡そうとしたが、Bがその受領を拒んだ場合、その後にA・B双方の責めに帰すことができない事由によって甲が滅失したときは、Bは、本件契約の解除をすることも、Aからの代金支払請求を拒絶することもできない。
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解説
正解は5。受領遅滞後に当事者双方の責めに帰すことができない事由で目的物が滅失したときは、その滅失は債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなされ、債権者は反対給付(代金支払)の履行を拒めず、契約の解除もできない(413条の2第2項・536条2項類推・567条2項参照)。1は誤り。期限到来後に履行請求を受ければ遅滞となり、死亡を知るまで責任が生じないわけではない。2は誤り。原始的不能でも契約は有効で、損害賠償責任を負いうる。3は誤り。履行補助者の行為でも帰責事由の有無は債務者について判断され当然に責任を負うわけではない。4は誤り。双方無責の滅失では危険負担により債権者は履行を拒める(536条1項)。(出典: 令和4年度 行政書士試験 問題30)
一問一答
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