問題
債務不履行を理由とする契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。
選択肢
- 1債務者が債務の全部について履行を拒絶する意思を明確に示したとしても、債権者は、相当の期間を定めて履行の催告をし、その期間内に履行がない場合でなければ、契約を解除することができない。
- 2特定物の売買契約において、契約締結後に目的物が不可抗力によって滅失した場合、買主は、履行不能を理由として契約を解除することができない。
- 3建物賃貸借契約において、賃借人の用法違反が著しい背信行為にあたり、契約関係の継続が困難となるに至った場合であっても、賃貸人は相当の期間を定めて賃借人に利用態様を改めるよう催告をし、その期間が経過しても賃借人が態度を改めようとしない場合でなければ、賃貸人は、当該契約を解除することができない。
- 4売買契約に基づいて目的物が引き渡された後に契約が解除された場合、買主が売主に対して負うべき原状回復義務には、目的物の返還に加えて、それまでに生じた目的物に関する使用利益の返還も含まれるが、当該契約が他人物売買であったときは、買主は売主に対して使用利益の返還義務を負わない。
- 5売買契約において、買主が代金の一部の支払を遅滞した場合、売主が相当の期間を定めてその支払の催告をし、その期間内に買主が代金を完済しなかったとしても、その時点における代金額の不足が軽微であるときは、売主の売買契約の解除が制限されることがある。
正解
5. 売買契約において、買主が代金の一部の支払を遅滞した場合、売主が相当の期間を定めてその支払の催告をし、その期間内に買主が代金を完済しなかったとしても、その時点における代金額の不足が軽微であるときは、売主の売買契約の解除が制限されることがある。
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解説
正解は5。催告解除でも、催告期間経過時の不履行が契約・取引上の社会通念に照らし軽微であるときは解除できない(541条ただし書)から妥当。1は誤り。債務者が履行を明確に拒絶した場合は催告なしに解除できる(542条1項)。2は誤り。履行不能の場合、買主は催告なしに契約を解除できる(542条1項1号)。3は誤り。賃借人の用法違反等で信頼関係が破壊された場合、催告なしに解除できる(信頼関係破壊の法理)。4は誤り。判例は他人物売買でも解除による原状回復として買主は使用利益の返還義務を負うとする。(出典: 令和4年度 行政書士試験 問題31)
一問一答
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