問題
行政事件訴訟法が定める抗告訴訟の対象に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
選択肢
- 1登録免許税を過大に納付して登記を受けた者が登録免許税法に基づいてした登記機関から税務署長に還付通知をすべき旨の請求に対し、登記機関のする拒否通知は、当該請求者の権利に直接影響を及ぼす法的効果を有さないため、抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらない。
- 2行政庁が建築基準法に基づいて、いわゆるみなし道路を告示により一括して指定する行為は、特定の土地について個別具体的な指定をしたものではなく、一般的基準の定立を目的としたものにすぎず、告示による建築制限等の制限の発生を認めることができないので、抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらない。
- 3労災就学援護費に関する制度の仕組みに鑑みると、被災労働者またはその遺族は、労働基準監督署長の支給決定によって初めて具体的な労災就学援護費の支給請求権を取得するため、労働基準監督署長が行う労災就学援護費の支給または不支給の決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
- 4市町村長が住民基本台帳法に基づき住民票に続柄を記載する行為は、公の権威をもって住民の身分関係を証明し、それに公の証明力を与える公証行為であるから、それ自体によって新たに国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定する法的効果を有するため、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
- 5都市計画法の規定に基づく用途地域指定の決定が告示された場合、その効力が生ずると、当該地域内においては、建築物の用途、容積率、建ぺい率等につき従前と異なる基準が適用され、これらの基準に適合しない建築物については建築確認を受けることができなくなる効果が生じるので、用途地域指定の決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
正解
3. 労災就学援護費に関する制度の仕組みに鑑みると、被災労働者またはその遺族は、労働基準監督署長の支給決定によって初めて具体的な労災就学援護費の支給請求権を取得するため、労働基準監督署長が行う労災就学援護費の支給または不支給の決定は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
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解説
正解は3。労災就学援護費に関する判例(最判平15・9・4)は、被災労働者等は労働基準監督署長の支給決定によって初めて具体的な支給請求権を取得するから、その支給・不支給決定は抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとしており妥当。1は誤り。登録免許税の還付通知をすべき旨の請求に対する拒否通知は処分性が認められる(最判平17・4・14)。2は誤り。いわゆる二項道路(みなし道路)の一括指定(告示)にも処分性が認められる(最判平14・1・17)。4は誤り。住民票に続柄を記載する行為は処分に当たらないとするのが判例(最判平11・1・21)。5は誤り。用途地域指定の決定は一般的・抽象的な効果にとどまり処分性が認められない(最判昭57・4・22)。(出典: 令和5年度 行政書士試験 問題19)
一問一答
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