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民法難易度: 標準2023年度

行政書士 過去問民法 第29問

問題

Aが所有する甲土地(以下「甲」という。)につき、Bの所有権の取得時効が完成し、その後、Bがこれを援用した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

選択肢

  1. 1Bの時効完成前に、CがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、Bは、Cに対して、登記なくして時効による所有権取得をもって対抗することができる。
  2. 2Bの時効完成後に、DがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、Bは、Dに対して、Dが背信的悪意者であったと認められる特段の事情があるときでも、登記なくして時効による所有権取得を対抗することはできない。
  3. 3Bの時効完成後に、EがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、その後さらにBが甲の占有を取得時効の成立に必要な期間継続したときは、Bは、Eに対し時効を援用すれば、時効による所有権取得をもって登記なくして対抗することができる。
  4. 4Bの時効完成後に、FがAから甲につき抵当権の設定を受けてその登記を了した場合、Bは、抵当権設定登記後引き続き甲の占有を取得時効の成立に必要な期間継続したときは、BがFに対し時効を援用すれば、Bが抵当権の存在を容認していたなどの抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、甲を時効取得し、その結果、Fの抵当権は消滅する。
  5. 5Bの時効完成後に、GがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、Bは、Gに対して、登記なくして時効による所有権取得をもって対抗することはできず、その際にBが甲の占有開始時点を任意に選択してその成立を主張することは許されない。

正解

2. Bの時効完成後に、DがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、Bは、Dに対して、Dが背信的悪意者であったと認められる特段の事情があるときでも、登記なくして時効による所有権取得を対抗することはできない。

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解説

正解は2(妥当でないもの)。判例上、時効完成後に登記を備えた第三者であっても背信的悪意者と認められる特段の事情があるときは、時効取得者は登記なくして時効取得を対抗できるとされる。これを否定する2は妥当でない。1は時効完成前の第三者には当事者類似の関係に立つため登記不要であり妥当。3は第三者の登記後さらに時効が完成すれば、その第三者を起算点後の当事者とみて登記なく対抗できるとする判例どおりで妥当。4は抵当権設定後さらに時効が完成すれば抵当権は消滅するとする判例どおりで妥当。5は時効取得には登記が必要で占有開始時点を任意に選べないとする判例どおりで妥当。(出典: 令和5年度 行政書士試験 問題28)

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