問題
国家賠償法1条に関する次のア〜エの記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。ア国家賠償法1条は「公権力の行使」によって生じた損害に適用されるが、ここにいう「公権力の行使」は、行政事件訴訟法において抗告訴訟の対象を表す「公権力の行使」と同じ意味であるから、国会議員が行う立法行為は、この概念には含まれないとするのが判例である。イ国家賠償法1条は「公権力の行使」によって生じた損害に適用されるが、行政指導や情報提供などの非権力的行政作用も、ここにいう「公権力の行使」に含まれうるとするのが判例である。ウ国家賠償法1条による賠償責任を認めるには、加害公務員が「職務を行うについて」他人に損害を与えていることが必要であり、公務員が職務執行の意思をもたずに私的な目的のためになした違法行為については、その外形のいかんにかかわらず、行政主体の賠償責任は成立しないとするのが判例である。エ国家賠償法1条による賠償責任を認めるには、加害公務員が職務上尽くすべき注意義務に違反していることが必要であるが、公務員が法律解釈を誤って違法行為を行ったとしても、それにつき異なる見解が対立し、そのいずれについても相当の根拠が認められる場合には、行政主体の賠償責任は成立しないとするのが判例である。
選択肢
- 1ア・イ
- 2ア・ウ
- 3ア・エ
- 4イ・エ
- 5ウ・エ
正解
4. イ・エ
詳しい解説を見る解説を閉じる
解説
正解は4(イ・エ)。イは行政指導等の非権力的作用も国家賠償法1条の「公権力の行使」に含まれうるとするのが判例(学校事故等)であり妥当。エは公務員が法律解釈を誤っても、見解が対立し各説に相当の根拠がある場合には過失を欠き賠償責任は成立しないとする判例の趣旨に沿い妥当。アは立法行為も国賠法1条の「公権力の行使」に含まれうる(在宅投票制度訴訟・最判昭和60年11月21日等)から「含まれない」は誤り。ウは職務執行の意思がなくても客観的に職務執行の外形を備える行為には責任が成立しうる(外形標準説・最判昭和31年11月30日)から「外形のいかんにかかわらず成立しない」は誤り。(出典: 令和7年度 行政書士試験 問題20)
一問一答
全600問を繰り返し学習