問題
法律による行政の原理に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
選択肢
- 1法律の優位とは、行政活動が法律に違反してはならないという原則である。
- 2法律の留保とは、行政活動には法律の根拠が必要であるという原則である。
- 3侵害留保説は、侵害的行政のみ法律の根拠を要するとする見解である。
- 4全部留保説は、すべての行政活動に法律の根拠を要するとする見解である。
- 5法律の留保の範囲について、判例は全部留保説を採用している。
正解
5. 法律の留保の範囲について、判例は全部留保説を採用している。
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解説
法律の留保の範囲について、判例が全部留保説を採用しているという事実はなく、肢5が妥当でない。実務・伝統的通説は、国民の権利を制限し義務を課す侵害的行政にのみ法律の根拠を要するとする侵害留保説に立つと理解されており、判例も全部留保説を採ることを明言したことはない。学説上は、すべての行政活動に法律の根拠を求める全部留保説、本質的・重要な事項について法律の根拠を求める重要事項留保説(本質性理論)、権力的行政に法律の根拠を求める権力留保説などが対立する。他の肢は妥当である。法律による行政の原理は、①法律の優位(行政活動は現に存在する法律に違反してはならない)、②法律の留保(一定の行政活動には法律の授権が必要)、③法律の法規創造力(国民の権利義務に関する一般的規律は法律のみが創造できる)の三つの内容からなる。法律の優位はすべての行政活動に及ぶのに対し、法律の留保はその及ぶ範囲自体が争われるという違いを押さえることが重要であり、各留保説の定義の入替えが頻出である。
一問一答
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