当社には製造部と営業部の2つの部門があり,利益意識を高めるために両部門をプロフィット・センターとすることにした。製造部は単一製品を製造し,その全量を営業部に振り替えて社内売上を計上している。次の〔資料〕に基づき,以下の文中の(ア)と(イ)に当てはまる数値の組合せとして正しいものの番号を一つ選びなさい。なお,(*)に当てはまる数値は各自推定すること。
〔資料〕
1.製造部と営業部の原価情報
製造部の製品1個当たり標準原価(単位:千円)
| 費目 | 金額 |
|---|
| 直接材料費 | 520 |
| 変動加工費 | 40 |
| 固定加工費 | 15 |
営業部の製品1個当たり標準販売費(単位:千円)
⑴ 直接材料費は変動費である。
⑵ 1個当たり標準固定加工費と標準固定販売費は,月間製造販売数量1,000個を前提として計算した金額であり,それぞれの総額は製造販売数量にかかわらず変化しない。
⑶ 月初・月末に棚卸資産は存在しない。
2.価格と利益の計算方法
⑴ 製造部から営業部への振替価格は,1個当たり標準直接材料費と標準変動加工費の合計額に,その30%をマークアップとして加算する変動費加算基準によって決定する。
⑵ 製造部の利益は,上記⑴の振替価格に製造数量を乗じた社内売上高から,直接材料費,変動加工費,固定加工費及び本社費配賦額のそれぞれの総額を差し引いて求める。
⑶ 営業部から外部に販売する価格は,製造部からの仕入価格と1個当たり標準変動販売費の合計額に,その30%をマークアップとして加算する変動費加算基準によって決定する。
⑷ 営業部の利益は,上記⑶の販売価格に販売数量を乗じた売上高から,売上原価,変動販売費,固定販売費及び本社費配賦額のそれぞれの総額を差し引いて求める。
⑸ 本社費は月間10,000千円であり,製造部と営業部に均等に配賦する。本社費は全額固定費であり,製造販売数量にかかわらず変化しない。
製造部と営業部では,当初,月間目標製造販売数量を1,000個として利益計画を立てていた。この場合の製造部の振替価格は(*)千円,営業部の販売価格は(ア)千円であった。両部門をプロフィット・センターとしたことで営業部は受注計画の見直しを行い,製造部と相談の結果,次月の目標製造販売数量を1,200個に引き上げることとした。これにより製造部と営業部の月間目標利益額はそれぞれ(*)千円と(*)千円となり,会社全体として当初の月間目標利益額よりも(イ)千円増加することが見込まれる。
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解説
正解は「(ア)1,060.8・(イ)82,560」。①振替価格=(直接材料費520+変動加工費40)×1.3=728千円。営業部の販売価格(ア)=(仕入価格728+変動販売費88)×1.3=816×1.3=1,060.8千円。②会社全体の利益(数量をQとする)=売上高1,060.8Q-変動費(520+40+88)Q-固定加工費15,000-固定販売費47,000-本社費10,000(固定費は月間総額。1個当たり固定費15・47は1,000個前提の単価であり総額は不変)。単位当たり貢献利益=1,060.8-648=412.8千円。③1,000個の場合の全体利益=412.8×1,000-72,000=340,800千円、1,200個の場合=412.8×1,200-72,000=423,360千円。増加額(イ)=423,360-340,800=412.8×200=82,560千円。(出典: 令和8年公認会計士試験 第Ⅱ回短答式試験 管理会計論 問題17)