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民法難易度: 2021年度

司法書士 過去問民法 第342問

問題

錯誤に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。 ア AのBに対する意思表示が錯誤に基づくものであって,その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであり,かつ,Aの重大な過失によるものであった場合には,Aは,BがAに錯誤があることを知り,又は重大な過失によって知らなかったときであっても,錯誤を理由としてその意思表示を取り消すことができない。 イ AのBに対する意思表示が,法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤によるものであり,それが法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである場合には,Aは,その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときでなければ,錯誤を理由としてその意思表示を取り消すことができない。 ウ AのBに対する意思表示がされ,その意思表示によって生じた法律関係について,Bの包括承継人ではないCが新たに法律上の利害関係を有するに至った後に,その意思表示がAの錯誤を理由に取り消された場合において,錯誤による意思表示であることをCが過失により知らなかったときは,Aは,Cに対し,その取消しを対抗することができる。 エ AのBに対する無償行為が錯誤を理由に取り消された場合には,その行為に基づく債務の履行として給付を受けたBは,給付を受けた時にその行為が取り消すことができるものであることを知らなかったときは,その行為によって現に利益を受けている限度において,返還の義務を負う。 オ AのBに対する意思表示を錯誤により取り消すことができる場合であっても,その意思表示によって生じた契約上の地位をAから承継したCは,錯誤を理由としてその意思表示を取り消すことができない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5エオ

正解

2. アオ

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解説

正解は「アオ」(誤っているものの組合せ)。平成29年改正により錯誤の効果が無効から取消しに改められ、要件も整理された。 ア=誤り。錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には原則として取消しをすることができないが、相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない(民法95条3項1号)。相手方を保護する必要がないからである。したがって本問では取り消すことができる。根拠:民法95条3項1号 イ=正しい。表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤(いわゆる動機の錯誤)による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる(民法95条2項)。相手方の予測可能性を確保する趣旨である。根拠:民法95条1項2号・2項 ウ=正しい。錯誤による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない(民法95条4項)。Cが錯誤による意思表示であることを過失により知らなかったときは無過失の要件を欠くから、AはCに対して取消しを対抗することができる。根拠:民法95条4項 エ=正しい。無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に取り消されたときは、給付を受けた当時その行為が取り消すことができるものであること)を知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において返還の義務を負う(民法121条の2第2項)。根拠:民法121条の2第2項 オ=誤り。取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り取り消すことができる(民法120条2項)。契約上の地位を承継したCは承継人としてこれに含まれるから、錯誤を理由として取り消すことができる。根拠:民法120条2項 以上より、誤っているのはアとオであり、正解は「アオ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午前の部 第5問)

一問一答

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