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民法難易度: 2021年度

司法書士 過去問民法 第345問

問題

物権変動に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。 ア AがB所有の甲土地をBに無断でCに売却し,その後,AがBから甲土地を購入した場合には,Cは,Aから甲土地を購入した時点に遡って甲土地の所有権を取得する。 イ Aが甲土地上の立木の所有権を留保して甲土地をBに売却し,その後,BがCに甲土地及びその上の立木を売却した場合には,Aは,Cに対し,立木の所有権の留保につき登記や明認方法を備えない限り,立木の所有権を主張することができない。 ウ Aが,A所有の動産甲をBに売り渡し,Bの寄託によりこれを保管している場合において,BがCに動産甲を売却したときは,Cは,その引渡しを受けていなかったとしても,Aに対し,動産甲の所有権を主張することができる。 エ Aが,B所有の甲土地につき,売買契約を締結していないのに,書類を偽造してAへの所有権の移転の登記をした上で,甲土地をCに売却してその旨の登記をした場合において,その後,BがDに甲土地を売却したときは,Dは,Cに対し,甲土地の所有権を主張することができない。 オ Aが,倉庫に寄託中のA所有の動産甲を,約定日時までに代金を支払わないときは契約が失効する旨の解除条件付きでBに売却した場合には,Bは,売買契約が締結された時点で動産甲の所有権を当然に取得する。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4ウエ
  5. 5エオ

正解

3. イウ

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解説

正解は「イウ」(正しいものの組合せ)。 ア=誤り。他人の権利の売買において、売主がその権利を取得して買主に移転する義務を負い(民法561条)、売主が後に所有権を取得したときは、買主はその時に所有権を取得する。売買契約の時にさかのぼって所有権を取得するものではない。根拠:民法561条、176条 イ=正しい。立木の所有権を留保して土地を売却した場合、その留保を第三者に対抗するには、立木につき登記又は明認方法を備えなければならない。これを備えないまま土地及び立木が転売されたときは、留保した者は譲受人に対し立木の所有権を主張することができない。根拠:民法177条、立木ニ関スル法律 ウ=正しい。Aは動産甲をBに売却した時点で無権利者となっており、Bから買い受けたCとの関係では前主にすぎず、民法178条の「第三者」に当たらない。したがってCは引渡しを受けていなくてもAに対して所有権を主張することができる。根拠:民法178条、176条 エ=誤り。Aは書類を偽造して登記名義を得たにすぎない無権利者であるから、Aから買い受けたCも所有権を取得しない。そしてCは真の所有者Bからの譲受人Dとの関係で対抗問題に立つ者ではないから、DはCに対し所有権を主張することができる。根拠:民法177条、94条2項 オ=誤り。解除条件付きの売買においては、条件が成就すれば契約は効力を失い所有権は売主に復帰することになるから、買主が取得する所有権も解除条件付きのものにとどまる。契約が締結された時点で確定的に所有権を取得するわけではない。根拠:民法127条2項、176条 以上より、正しいのはイとウであり、正解は「イウ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午前の部 第8問)

一問一答

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