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民法難易度: 2021年度

司法書士 過去問民法 第350問

問題

抵当権の効力に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。 ア 抵当権の設定の登記後に締結された賃貸借により競売手続の開始前から抵当権の目的である建物の使用収益をする賃借人は,当該抵当権が実行されて当該建物が競落された場合は,買受人に対し,当該建物を直ちに引き渡さなければならない。 イ 一般債権者が抵当不動産を差し押さえたときは,抵当権者は,第三者異議の訴えにより,その強制執行の不許を求めることができる。 ウ 建物の抵当権者による当該建物の賃料請求権に対する物上代位権の行使は,被担保債権について債務不履行がなくても,することができる。 エ 抵当権者は,先順位の抵当権がその被担保債権の弁済によって消滅した場合には,その先順位の抵当権設定登記の抹消登記手続を請求することができる。 オ Aのための抵当権の設定の登記がされた後に,抵当権の設定者Bが抵当不動産をCに賃貸し,その賃料債権をDに譲渡した場合には,当該債権譲渡について第三者対抗要件が具備された後においても,Aは自らその賃料債権を差し押さえて,物上代位権を行使することができる。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4ウエ
  5. 5エオ

正解

5. エオ

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解説

正解は「エオ」(正しいものの組合せ)。 ア=誤り。抵当権者に対抗することができない賃貸借により競売手続の開始前から抵当建物の使用又は収益をする者は、その建物の競売における買受人の買受けの時から6か月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない(民法395条1項。建物明渡猶予制度)。直ちに引き渡さなければならないとする点が誤りである。根拠:民法395条1項 イ=誤り。抵当権は目的物の交換価値を把握する権利であって、抵当不動産に対する強制執行そのものを排除する効力を有しない。抵当権者は競売手続において優先弁済を受ければ足りるから、第三者異議の訴えによってその強制執行の不許を求めることはできない。根拠:民事執行法38条、民法369条 ウ=誤り。抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ(民法371条)。したがって被担保債権について債務不履行がない段階では、賃料債権に対する物上代位権を行使することはできない。根拠:民法371条、304条 エ=正しい。後順位の抵当権者は、先順位の抵当権が被担保債権の弁済によって消滅したときは、順位が上昇するという利益を有するから、登記上の利害関係を有する者としてその抵当権設定登記の抹消登記手続を請求することができる。根拠:民法369条、不動産登記法 オ=正しい。抵当権者は、物上代位の目的である賃料債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後であっても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる(最判平成10年1月30日)。抵当権設定登記によって物上代位の可能性が公示されているからである。根拠:民法372条、304条 以上より、正しいのはエとオであり、正解は「エオ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午前の部 第13問)

一問一答

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