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民法難易度: 標準2021年度

司法書士 過去問民法 第353問

問題

次の対話は,弁済に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち,正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。 教授: 第三者による弁済について検討してみましょう。弁済をするについて正当な利益を有する第三者は,債権者の意思に反しても,弁済をすることはできますか。問題となっている債務が,その性質上第三者による弁済を許すものであり,当事者が第三者による弁済を禁止し,又は制限する旨の意思表示をしていないことを前提に考えてください。 ア 弁済をするについて正当な利益を有する第三者は,債権者の意思に反しても,弁済をすることができます。 教授: では,弁済の方法について考えてみましょう。債権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによって弁済をすることが許されている場合に,その方法によって弁済の効力が生ずるのは,どの時点ですか。 イ 債権者が払込みがあった口座から金銭の払戻しを現実に受けた時点です。 教授: 次に,代物弁済について考えてみましょう。代物弁済の契約が締結された場合には,代物弁済の契約で定められた給付が現実になくても,弁済と同一の効力は生じますか。 ウ 代物弁済の契約が締結されれば,代物弁済の契約で定められた給付が現実になくても,弁済と同一の効力は生じます。 教授: 弁済の時間について考えてみましょう。弁済をし,又は弁済の請求をすることができる取引時間の定めがあると認められるのは,どのような場合ですか。 エ 債権者と債務者の合意によって取引時間を定めた場合に限り,弁済をし,又は弁済の請求をすることができる取引時間の定めがあると認められます。合意がないのに,このような取引時間の定めがあると認められることはありません。 教授: 最後に,弁済の充当について検討しましょう。債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合に,弁済として提供した給付が全ての債務を消滅させるのに足りないときは,弁済をする者は,その充当すべき債務を指定することができますか。いずれの債務も元本のみしか存在しないことと,弁済をする者と受領する者の間にその充当の順序に関する合意がないことを前提に考えてください。 オ 弁済をする者は,給付の時に,その弁済を充当すべき債務を指定することができます。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウエ

正解

2. アオ

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解説

正解は「アオ」(正しいものの組合せ)。 ア=正しい。弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債権者の意思に反して弁済をすることができない(民法474条3項本文)。逆にいえば、弁済をするについて正当な利益を有する第三者は、債権者の意思に反しても有効に弁済をすることができる。根拠:民法474条2項・3項 イ=誤り。債権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによってする弁済は、債権者がその預金又は貯金に係る債権の債務者に対してその払込みに係る金額の払戻しを請求する権利を取得した時に、その効力を生ずる(民法477条)。すなわち口座に入金の記録がされた時点であり、債権者が現実に払戻しを受けた時点ではない。根拠:民法477条 ウ=誤り。代物弁済は、弁済をすることができる者が債権者との間で他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときに、弁済と同一の効力を生ずる(民法482条)。契約の締結だけでは足りず、現実の給付が必要である。平成29年改正により諾成契約であることが明示されたが、効力発生には給付を要する点に注意を要する。根拠:民法482条 エ=誤り。法令又は慣習により取引時間の定めがあるときは、その取引時間内に限り、弁済をし、又は弁済の請求をすることができる(民法484条2項)。当事者の合意による場合に限られない。根拠:民法484条2項 オ=正しい。債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付が全ての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる(民法488条1項)。根拠:民法488条1項 以上より、正しいのはアとオであり、正解は「アオ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午前の部 第16問)

一問一答

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