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民法難易度: 2021年度

司法書士 過去問民法 第359問

問題

Aを被相続人,Aの子であるB及びCのみを相続人とする遺贈又は相続に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記 1 から 5までのうち,どれか。 ア B及びCは,遺産分割協議において,BがAの遺産である甲土地の所有権全部を取得することに合意したが,その後,Cが,第三者に対し,甲土地の 2 分の 1 の持分を売却した場合,Bは,当該第三者に対し,登記なくして甲土地の所有権全部の取得を対抗することができる。 イ Aを被保険者とする生命保険契約において,保険金の受取人がBとされていた場合に,その後,Aのした遺言において保険金の受取人をBからCに変更することは,Cに対する遺贈に当たる。 ウ Aを債権者とする普通預金債権について,B及びCは,Aの相続開始により,各相続分に応じて分割された同債権をそれぞれ取得することはなく,同債権は,遺産分割の対象となる。 エ Aが相続開始の時に有した債務の債権者は,遺言による相続分の指定がされた場合であっても,その指定された相続分に応じた債務の承継を承認しない限り,B及びCに対し,その法定相続分に応じてその権利を行使することができる。 オ Aの遺産である株式について,B及びCは,Aの相続開始により, 2 分の 1 ずつの割合で当該株式の持分を分割して取得することとなり,当該株式は,遺産分割の対象とはならない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウエ

正解

5. ウエ

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解説

正解は「ウエ」(正しいものの組合せ)。 ア=誤り。相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、法定相続分を超える部分については登記等の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができない(民法899条の2第1項)。したがってBは、登記を備えなければ第三者に対して甲土地の所有権全部の取得を対抗することができない。改正前の判例が遺産分割による取得に登記を要するとしていたことが明文化されたものである。根拠:民法899条の2第1項 イ=誤り。保険金受取人の変更は遺言によってもすることができ(保険法44条1項)、これは保険契約に基づく権利の帰属先を変更するものであって、被相続人の遺産を処分する遺贈ではない。保険金請求権は受取人固有の権利であり相続財産に属さないからである。根拠:保険法44条1項、民法964条 ウ=正しい。共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる(最大決平成28年12月19日)。預貯金債権が具体的相続分に応じた調整に資する財産であることが考慮されている。根拠:民法898条、判例 エ=正しい。被相続人が相続開始の時において有した債務の債権者は、遺言による相続分の指定がされた場合であっても、各共同相続人に対し、法定相続分に応じてその権利を行使することができる。ただし、その債権者が共同相続人の一人に対してその指定された相続分に応じた債務の承継を承認したときは、この限りでない(民法902条の2)。債務者側の事情によって債権者の地位が害されないようにする趣旨である。根拠:民法902条の2 オ=誤り。共同相続された株式は、可分債権のように当然に分割されるものではなく、共同相続人の準共有となり、遺産分割の対象となる(最判平成26年2月25日参照)。株式は議決権等の共益権を含む社員たる地位だからである。根拠:民法898条、264条、会社法106条 以上より、正しいのはウとエであり、正解は「ウエ」となる。(出典: 令和3年度 司法書士試験 午前の部 第22問)

一問一答

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