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憲法難易度: 標準2022年度

司法書士 過去問憲法 第70問

問題

人格権又は人格的利益に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 名誉を違法に侵害された者は、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対し、将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差止めを求めることができる。 イ 人の氏名、肖像等が商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合において、当該顧客吸引力を排他的に利用する権利は、人格権に由来する権利の一内容を構成する。 ウ ある著作者の著作物が公立図書館において閲覧に供されている場合には、当該著作者が当該著作物によってその思想、意見等を公衆に伝達する利益は、法的保護に値する人格的利益とはいえない。 エ 前科は人の名誉に直接にかかわる事項であり、前科のある者もこれをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有する。 オ 人格権や法的保護に値する人格的利益は、その性質上、自然人にのみ認められ、法人には認められない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウオ

正解

5. ウオ

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解説

正解は「ウオ」(誤っているものの組合せ)。 ア=正しい。名誉は生命・身体とともに極めて重大な保護法益であり、人格権としての名誉権は物権と同様に排他性を有する権利である。したがって名誉を違法に侵害された者は、加害者に対し、現に行われている侵害行為を排除し、又は将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差止めを求めることができる(北方ジャーナル事件・最大判昭和61年6月11日)。根拠:憲法13条、21条 イ=正しい。人の氏名、肖像等は、個人の人格の象徴であるから、当該個人は人格権に由来するものとしてこれをみだりに利用されない権利を有する。そして氏名、肖像等が商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合、これを排他的に利用する権利(いわゆるパブリシティ権)は、人格権に由来する権利の一内容を構成する(ピンク・レディー事件・最判平成24年2月2日)。根拠:民法709条、憲法13条 ウ=誤り。公立図書館は、住民に対して思想、意見その他の種々の情報を含む図書館資料を提供してその教養を高めること等を目的とする公的な場である。その著作物が閲覧に供されている著作者にとって、著作物によってその思想、意見等を公衆に伝達する利益は、法的保護に値する人格的利益である(船橋市西図書館事件・最判平成17年7月14日)。根拠:憲法21条、国家賠償法1条 エ=正しい。前科等は人の名誉、信用に直接かかわる事項であり、前科等のある者もこれをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有する(前科照会事件・最判昭和56年4月14日)。根拠:憲法13条、民法709条 オ=誤り。法人にも名誉権が認められ、名誉が毀損されて無形の損害が生じた場合には、その賠償を請求することができる(最判昭和39年1月28日)。人格権や法的保護に値する人格的利益が自然人にのみ認められるとする点が誤りである。根拠:民法709条、710条 以上より、誤っているのはウとオであり、正解は「ウオ」となる。(出典: 令和4年度 司法書士試験 午前の部 第1問)

一問一答

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