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民法難易度: 2025年度

司法書士 過去問民法 第269問

問題

先取特権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 雇用関係の先取特権は、債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた最後の6 か月間の債権についてのみ存在する。 イ 動産の売買の先取特権者は、物上代位の目的債権が譲渡され、第三者に対する対抗要件が備えられた後においては、目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができない。 ウ 不動産の賃貸の先取特権について、即時取得の規定は準用されない。 エ 同一の不動産について不動産の工事の先取特権と不動産の保存の先取特権とが競合する場合には、不動産の工事の先取特権は、不動産の保存の先取特権に優先する。 オ 不動産の売買の先取特権は、売買契約と同時に不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨の登記がされた場合であっても、その前に登記がされた抵当権に先立って行使することができない。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イウ
  4. 4イオ
  5. 5エオ

正解

4. イオ

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解説

正解は「イオ」。ア=誤り。雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権の全部について存在する(民法308条)。平成15年改正前は「最後の6か月間の給料」に限定されていたが、現行法では期間の限定が撤廃されている。イ=正しい。最高裁は、動産売買の先取特権に基づく物上代位について、目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後は、先取特権者は目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができないとした(最判平17・2・22)。公示方法を欠く動産売買先取特権は、登記により公示される抵当権(最判平10・1・30は債権譲渡後の物上代位を肯定)とは扱いを異にする。ウ=誤り。民法319条は、即時取得に関する192条から195条までの規定を、不動産の賃貸の先取特権について準用すると定める。賃貸人は賃借人が備え付けた動産について、それが第三者の所有物であっても善意無過失であれば先取特権を取得しうる。エ=誤り。不動産の先取特権が互いに競合する場合の順位は、保存・工事・売買の順である(民法331条1項、325条の掲載順)。すなわち不動産保存の先取特権が不動産工事の先取特権に優先する。保存行為は目的物の価値の維持に、工事は価値の増加に寄与するという序列による。オ=正しい。不動産売買の先取特権は、売買契約と同時に代価またはその利息の弁済がされていない旨を登記することによって効力を保存する(民法340条)。もっとも先取特権と抵当権が競合する場合、不動産保存・不動産工事の先取特権は登記された抵当権に優先する(民法339条)が、不動産売買の先取特権は339条に掲げられておらず、登記の前後によって優劣が決まる(民法341条・373条)。したがって先に登記された抵当権に優先することはできない。よって正しいのはイとオである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午前の部 第12問)

一問一答

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