司法書士に戻る
民事訴訟法難易度: 2022年度

司法書士 過去問民事訴訟法 第20問

問題

控訴に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 控訴をする権利は、第一審裁判所が判決を言い渡す前にあらかじめ放棄することができる。 イ 第一審判決が判決書の原本に基づいて言い渡されたときは、控訴の提起は、判決書の送達を受けた日から 2 週間の不変期間内に、控訴状を第一審裁判所に提出してしなければならない。 ウ 主位的請求を棄却し予備的請求を認容した第一審判決に対し、被告のみが控訴し、原告が控訴も附帯控訴もしないときは、予備的請求に対する第一審判決の当否のみが控訴審の審判の対象となる。 エ 被控訴人は、既に自らの控訴期間が経過しているとき又は既に控訴をする権利を放棄しているときは、控訴審の口頭弁論の終結前であっても、附帯控訴をすることができない。 オ 第一審裁判所が、100 万円の貸金返還請求について、60 万円の限度で一部認容する判決をした場合には、原告が請求棄却部分のうち 20 万円の部分についてのみ控訴したときであっても、控訴審裁判所は、原判決を取り消して 100 万円全額について請求を認容することができる。

選択肢

  1. 1アエ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5ウオ

正解

3. イウ

詳しい解説を見る

解説

正解は「イウ」(正しいものの組合せ)。 ア=誤り。控訴権の放棄は、控訴をする権利が発生した後、すなわち判決の言渡し後にすることができるものであり、判決の言渡し前にあらかじめ放棄することはできない。まだ発生していない権利を処分することはできないからである。根拠:民事訴訟法284条 イ=正しい。控訴は、判決書又は民事訴訟法254条2項の調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければならず(民事訴訟法285条)、控訴の提起は控訴状を第一審裁判所に提出してしなければならない(民事訴訟法286条1項)。控訴裁判所に提出するのではない点に注意を要する。根拠:民事訴訟法285条、286条1項 ウ=正しい。主位的請求を棄却し予備的請求を認容した第一審判決に対して被告のみが控訴し、原告が控訴も附帯控訴もしないときは、主位的請求は不服申立ての対象となっておらず、控訴審の審判の対象とはならない(最判昭和54年3月16日参照)。処分権主義及び不利益変更禁止の原則の帰結である。根拠:民事訴訟法296条1項、304条 エ=誤り。被控訴人は、控訴権が消滅した後であっても、口頭弁論の終結に至るまで、附帯控訴をすることができる(民事訴訟法293条1項)。控訴審の審判範囲を拡張して当事者間の公平を図る制度だからである。根拠:民事訴訟法293条1項 オ=誤り。控訴裁判所は、第一審判決の取消し及び変更を、不服申立ての限度においてのみすることができる(民事訴訟法304条)。原告が請求棄却部分のうち20万円の部分についてのみ控訴した以上、これを超えて全額を認容することはできない。根拠:民事訴訟法304条 以上より、正しいのはイとウであり、正解は「イウ」となる。(出典: 令和4年度 司法書士試験 午後の部 第5問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

民事訴訟法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。