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民法難易度: 標準2023年度

司法書士 過去問民法 第313問

問題

履行遅滞に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア Aが死亡したら履行するとの履行期を定めた債務の債務者は、Aが死亡した後に履行の請求を受けていなくとも、Aの死亡を知った時から遅滞の責任を負う。 イ 指図証券に記載された期限の定めのある債務の債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。 ウ 詐害行為取消権に基づく受領物返還債務の債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。 エ 返還時期の定めのない貸金の返還債務の債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。 オ 不法行為に基づく損害賠償債務の債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウオ

正解

1. アウ

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解説

正解は「アウ」(正しいものの組合せ)。履行遅滞の起算点は債務の種類ごとに整理して覚えるべき典型論点である。 ア=正しい。人の死亡のように到来することは確実だがその時期が不確定な期限は不確定期限であり、債務者は、その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来したことを知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う(民法412条2項)。したがって履行の請求を受けていなくても、Aの死亡を知った時から遅滞となる。根拠:民法412条2項 イ=誤り。指図証券の債務者は、その債務の履行について期限の定めがあるときであっても、その期限が到来した後に所持人がその証券を提示してその履行の請求をした時から遅滞の責任を負う(民法520条の9)。証券の提示がなければ誰に弁済すべきかが分からないため、取立債務として扱われている。根拠:民法520条の9 ウ=正しい。詐害行為取消権に基づく受領物の返還債務は期限の定めのない債務であり、債務者は履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う(民法412条3項)。取消しの判決確定によって当然に遅滞となるのではない。根拠:民法412条3項 エ=誤り。当事者が返還の時期を定めなかった消費貸借において、貸主は相当の期間を定めて返還の催告をすることができる(民法591条1項)。借主には借りた物を調達して返す準備の時間が必要だからであり、催告後、相当の期間を経過した時から遅滞となる。請求を受けた時から直ちに遅滞となるのではない。根拠:民法591条1項 オ=誤り。不法行為に基づく損害賠償債務は、催告を要することなく、損害の発生と同時に遅滞に陥る(最判昭和37年9月4日)。被害者の保護を厚くする趣旨である。根拠:民法709条、412条3項 以上より、正しいのはアとウであり、正解は「アウ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第16問)

一問一答

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