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民法難易度: 2023年度

司法書士 過去問民法 第314問

問題

債権者代位権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア AがBに対して債権を有しており、その債権を保全するために必要があるときは、Aは、Bが有する債権者代位権を行使することができる。 イ 甲土地につき、AがBに対して所有権移転登記手続請求権を有し、BがCに対して所有権移転登記手続請求権を有しており、AがBのCに対する所有権移転登記手続請求権を代位行使することができるときは、Aは、Cに対し、甲土地につき、CからAへの所有権移転登記手続をすることを請求することができる。 ウ AがBに対して甲債権を有し、BがCに対して乙債権を有している場合には、Aが甲債権を被保全債権として乙債権を代位行使したとしても、乙債権について、消滅時効の完成は猶予されない。 エ AがBに対して甲債権を有し、BがCに対して乙債権を有している場合には、Aが、Cに対して乙債権の代位行使に係る訴えを提起し、Bに対して訴訟告知をした後であっても、Bは、乙債権を第三者Dに譲渡することができる。 オ AがBに対して金銭債権である甲債権を有し、BがCに対して金銭債権である乙債権を有している場合において、Aが、乙債権を代位行使して、自己にその金銭の支払をするように求めたときは、CがBに対して乙債権につき同時履行の抗弁権を有していても、Cは、Aに対して、その同時履行の抗弁権をもって対抗することはできない。

選択肢

  1. 1アエ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5ウオ

正解

1. アエ

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解説

正解は「アエ」(正しいものの組合せ)。 ア=正しい。債権者代位権の対象となる被代位権利は「債務者に属する権利」であればよく(民法423条1項本文)、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利を除いて広く認められる。債務者Bが有する債権者代位権もこれに含まれ、Aはこれを代位行使することができる。根拠:民法423条1項 イ=誤り。登記請求権を代位行使する場合、債権者は、債務者に対して登記手続をすべきことを相手方に請求できるにとどまる。Aが自己への直接の所有権移転登記手続を求めることは、実体上の権利変動の過程と一致しない中間省略登記を実現することになり許されない。したがってAはCに対し、CからBへの所有権移転登記手続を請求すべきことになる。根拠:民法423条の3、不動産登記法 ウ=誤り。債権者が被代位権利を裁判上行使したときは、その訴えの提起は裁判上の請求として、被代位権利について時効の完成猶予の効力を生ずる(民法147条1項1号)。代位行使によっても時効の完成が猶予されないとする点が誤りである。根拠:民法147条1項1号、423条の6 エ=正しい。債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者は、被代位権利について、自ら取立てその他の処分をすることを妨げられない(民法423条の5前段)。平成29年改正前の判例は債務者の処分権が制限されるとしていたが、改正により明文でこれが否定された。したがってBは訴訟告知の後でも乙債権をDに譲渡することができる。根拠:民法423条の5 オ=誤り。債権者が被代位権利を行使したときは、相手方は、債務者に対して主張することができる抗弁をもって、債権者に対抗することができる(民法423条の4)。代位行使によって相手方の地位が不利になるいわれはないからである。したがってCは同時履行の抗弁権をもってAに対抗することができる。根拠:民法423条の4 以上より、正しいのはアとエであり、正解は「アエ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第17問)

一問一答

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