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民法難易度: 2023年度

司法書士 過去問民法 第319問

問題

相続の限定承認に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 限定承認者は、受遺者に弁済をした後でなければ、相続債権者に弁済をすることができない。 イ 民法第 927 条第 1 項の期間内に同項の申出をしなかった相続債権者及び受遺者で限定承認者に知れなかったものは、相続財産について特別担保を有する場合を除き、残余財産についてのみその権利を行使することができる。 ウ 限定承認をした相続人が数人ある場合には、家庭裁判所は、相続人の中から、相続財産の清算人を選任しなければならない。 エ 民法第 927 条第 1 項の期間が満了した後は、限定承認者は、弁済期に至らない債権であっても、相続財産をもって、その期間内に同項の申出をした相続債権者その他知れている相続債権者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。 オ 限定承認をした共同相続人の一人が相続財産を処分したときは、相続債権者は、相続財産をもって弁済を受けることができなかった債権額について、共同相続人の全員に対し、その相続分に応じて権利を行使することができる。(参考)民法第 927 条 限定承認者は、限定承認をした後 5 日以内に、すべての相続債権者(相続財産に属する債務の債権者をいう。以下同じ。)及び受遺者に対し、限定承認をしたこと及び一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、2 箇月を下ることができない。2 ~ 4 (略)

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アオ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウエ

正解

2. アオ

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解説

正解は「アオ」(誤っているものの組合せ)。 ア=誤り。限定承認者は、相続債権者に弁済をした後でなければ、受遺者に弁済をすることができない(民法931条)。相続債権者は被相続人と取引関係に立った者であるのに対し、受遺者は無償で利益を受ける者であるから、相続債権者が優先する。順序が逆である。根拠:民法931条 イ=正しい。民法927条1項の期間内に請求の申出をしなかった相続債権者及び受遺者で限定承認者に知れなかったものは、残余財産についてのみその権利を行使することができる(民法935条本文)。ただし、相続財産について特別担保を有する者はこの限りでない(同条ただし書)。根拠:民法935条 ウ=正しい。相続人が数人ある場合には、家庭裁判所は、相続人の中から、相続財産の清算人を選任しなければならない(民法936条1項)。共同相続人全員が共同して限定承認をする必要があるため(民法923条)、清算手続を一元的に行わせる趣旨である。根拠:民法936条1項 エ=正しい。限定承認者は、民法927条1項の期間の満了後は、期間内に申出をした相続債権者その他知れている相続債権者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならず(民法929条本文)、弁済期に至らない債権であってもこれに従って弁済をしなければならない(民法930条1項)。清算手続を速やかに完結させるためである。根拠:民法929条・930条1項 オ=誤り。限定承認をした共同相続人の一人又は数人について相続財産の処分等の法定単純承認事由があるときは、相続債権者は、相続財産をもって弁済を受けることができなかった債権額について、当該共同相続人に対し、その相続分に応じて権利を行使することができる(民法937条)。責任を負うのは事由のある相続人であって、共同相続人の全員ではない。根拠:民法937条、921条 以上より、誤っているのはアとオであり、正解は「アオ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第22問)

一問一答

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