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民法難易度: 標準2023年度

司法書士 過去問民法 第320問

問題

遺言に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 被相続人が、生前、その所有する不動産を推定相続人の一人に贈与したが、その旨の登記が未了の間に、他の推定相続人に当該不動産の特定遺贈をし、その後相続の開始があった場合、当該贈与と遺贈による物権変動の優劣は、登記の具備の有無によって決まる。 イ 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることもできる。 ウ 受遺者は、遺言者の死亡前であっても、遺贈の放棄をすることができる。 エ 秘密証書による遺言について、その方式に欠けるものがある場合には、当該遺言は、自筆証書による遺言の方式を具備しているときであっても、自筆証書による遺言として有効とはならない。 オ 疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が特別の方式によってした遺言は、法定の期間内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。

選択肢

  1. 1アエ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4イエ
  5. 5ウオ

正解

2. アオ

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解説

正解は「アオ」(正しいものの組合せ)。 ア=正しい。被相続人が生前に不動産を推定相続人の一人に贈与し、その登記が未了の間に他の推定相続人に同じ不動産を特定遺贈した場合、両者はいずれも被相続人を起点とする物権変動であり二重譲渡類似の関係に立つ。したがってその優劣は対抗問題として登記の具備の有無によって決まる(最判昭和46年11月16日)。根拠:民法177条、964条 イ=誤り。遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができない(民法975条。共同遺言の禁止)。遺言の自由と撤回の自由を確保する趣旨である。夫婦であっても同一の証書ですることはできない。根拠:民法975条 ウ=誤り。受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも遺贈の放棄をすることができる(民法986条1項)。遺贈の効力は遺言者の死亡によって生ずるのであり(民法985条1項)、それ以前に放棄をすることはできない。根拠:民法986条1項、985条1項 エ=誤り。秘密証書による遺言は、民法970条に定める方式に欠けるものがあっても、民法968条に定める自筆証書遺言の方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する(民法971条。無効行為の転換)。遺言者の最終意思をできる限り尊重する趣旨である。根拠:民法971条 オ=正しい。死亡の危急に迫った者がした遺言(民法976条1項)は、遺言の日から20日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない(同条4項)。特別方式の遺言は要件が緩和されている分、家庭裁判所の確認によって真意性を担保している。根拠:民法976条4項 以上より、正しいのはアとオであり、正解は「アオ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午前の部 第23問)

一問一答

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