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民法難易度: 2024年度

司法書士 過去問民法 第283問

問題

時効に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 不動産の贈与を受け、所有権に基づいて自己の物として不動産を占有する者は、当該不動産について、取得時効を理由として所有権を有することを主張することができない。 イ 期限の定めのない債権の消滅時効は、債務者が履行の請求を受けた時から進行する。 ウ 後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅により当該後順位抵当権者に対する配当額が増加する場合には、当該先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。 エ 時効期間を計算するに当たっては、その期間が午前零時から始まるときを除き、期間の初日は算入しない。 オ 主たる債務者が主たる債務について時効の利益を放棄した場合においても、保証人は、主たる債務の消滅時効を援用することができる。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アエ
  3. 3イウ
  4. 4ウオ
  5. 5エオ

正解

5. エオ

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解説

正解は「エオ」。ア=誤り。民法162条は「他人の物」と規定するが、判例は、取得時効の要件として目的物が他人の物であることを要せず、所有権に基づいて自己の物として占有していた者も取得時効を援用することができるとした(最判昭42・7・21)。所有権取得の立証が困難な場合に時効による主張を認める実益があるためである。イ=誤り。期限の定めのない債権は成立と同時に権利を行使することができるから、消滅時効は債権が成立した時から進行する(民法166条1項2号)。履行の請求を受けた時から遅滞に陥る(同法412条3項)ことと混同してはならない。ウ=誤り。最高裁は、後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅により配当額が増加する利益を有するにすぎず、これは反射的な利益であって、時効により直接利益を受ける者に当たらないとして、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができないとした(最判平11・10・21)。エ=正しい。民法140条は、日、週、月または年によって期間を定めたときは期間の初日を算入しないとしつつ、ただし書で、その期間が午前零時から始まるときはこの限りでないと定める。時効期間の計算にもこの原則が及ぶ。オ=正しい。時効利益の放棄は相対的効力しか有しないから、主たる債務者が時効の利益を放棄しても、保証人は独立して主たる債務の消滅時効を援用することができる(大判昭6・6・4)。保証人は主たる債務の消滅により直接利益を受ける者だからである。したがって正しいのはエとオである。(出典: 令和6年度 司法書士試験 午前の部 第6問)

一問一答

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