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民法難易度: 2025年度

司法書士 過去問民法 第262問

問題

意思表示に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 意思表示の通知が相手方に到達したというためには、その通知が相手方の了知可能な状態に置かれることをもって足りる。 イ 契約を解除する旨の意思表示は、その通知の発信から相手方への到達までの間に表意者が意思能力を喪失したときは、その効力を生じない。 ウ 隔地者間の契約は、承諾の通知が申込者に到達したときは、承諾の通知を発した時に遡って成立する。 エ 公示による意思表示は、表意者が相手方を知らないこと又はその所在を知らないことについて過失がないときは、最後に官報に掲載した日又はその掲載に代わる掲示を始めた日から 2 週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなされる。 オ 公示による意思表示の公示に関する手続は、表意者の住所地の登記所の管轄に属する。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウオ

正解

2. アエ

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解説

正解は「アエ」。ア=正しい。意思表示は相手方に到達した時から効力を生ずる(民法97条1項)。判例は「到達」とは相手方が現実にこれを了知することまでは必要でなく、意思表示が相手方の勢力範囲(支配圏)内に置かれ、了知可能な状態におかれれば足りるとする(最判昭36・4・20、最判昭43・12・17)。イ=誤り。民法97条3項は、意思表示は表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、または行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられないと定める。したがって発信後到達前に意思能力を喪失しても解除の意思表示は効力を生ずる。ウ=誤り。平成29年改正前の民法526条1項は隔地者間の契約について発信主義(承諾の通知を発した時に成立)を採っていたが、同改正により削除された。現在は契約の成立にも到達主義(民法97条1項)が適用され、承諾の通知が申込者に到達した時に契約が成立する。「発した時に遡って成立する」とする点が誤り。エ=正しい。公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日またはその掲載に代わる掲示を始めた日から2週間を経過した時に相手方に到達したものとみなされる。ただし表意者が相手方を知らないことまたはその所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない(民法98条3項)。本記述は無過失の場合を前提としており正しい。オ=誤り。公示に関する手続は、相手方を知ることができない場合には表意者の住所地の簡易裁判所、相手方の所在を知ることができない場合には相手方の最後の住所地の簡易裁判所の管轄に属する(民法98条4項)。登記所ではなく簡易裁判所である点が誤り。したがって正しいのはアとエである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午前の部 第5問)

一問一答

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