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民法難易度: 2025年度

司法書士 過去問民法 第266問

問題

即時取得に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア A所有の甲動産をAから預かっていたBが、甲動産がBの所有であると過失なく信じているCに対して甲動産を売却し、以後BがCのために引き続き甲動産を保管する意思を表示した場合には、Cは、甲動産を即時取得する。 イ A所有の甲動産をAから預かっていたBが死亡し、甲動産がBの所有であると過失なく信じているCが、Bを相続し、甲動産の占有を承継した場合には、Cは、甲動産を即時取得する。 ウ A所有の甲動産をAから預かっていたBが、甲動産がBの所有であると過失なく信じていたCとの間で甲動産の売買契約を締結した後、Cが、甲動産についてBが無権利であることを知り、甲動産の現実の引渡しを受けた場合には、Cは、甲動産を即時取得することができない。 エ A所有の甲動産をAから預かっていたBが、甲動産がBの所有であると過失なく信じているCのために動産に質権を設定し、Cに甲動産の現実の引渡しをした場合には、Cは、甲動産について質権を即時取得する。 オ A所有の甲動産を盗んだBが、甲動産がBの所有であると過失なく信じているCに対して甲動産を売却し、現実の引渡しをした場合には、Aは、その盗難から 2 年間は、Cに対し、甲動産の返還を求めることができる。

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アオ
  3. 3イウ
  4. 4ウエ
  5. 5エオ

正解

1. アイ

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解説

正解は「アイ」。ア=誤り。即時取得の要件である「占有を始めた」というためには占有の取得が必要であるが、判例は占有改定による取得では即時取得は成立しないとする(最判昭35・2・11)。Bが引き続き自己のもとで保管する意思を表示したにすぎない本記述は占有改定であり、Cは即時取得しない。イ=誤り。即時取得は取引行為によって動産の占有を始めた場合に成立する(民法192条)。相続は包括承継であって取引行為ではないから、相続人Cは即時取得しない。Cは被相続人Bの占有をその瑕疵とともに承継する(民法896条)。ウ=正しい。即時取得の要件である善意・無過失は、占有を取得した時点、すなわち引渡しを受けた時を基準に判断される。売買契約の時点で善意無過失であっても、現実の引渡しを受ける時までに無権利であることを知った以上、Cは即時取得できない。エ=正しい。民法192条は「動産について行使する権利を取得する」と規定し、所有権のみならず質権の取得についても適用される。動産質権の設定を受け現実の引渡しを受けたCは、善意無過失であれば質権を即時取得する。オ=正しい。占有物が盗品または遺失物であるときは、被害者または遺失者は盗難または遺失の時から2年間、占有者に対しその物の回復を請求することができる(民法193条)。したがって誤っているのはアとイである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午前の部 第9問)

一問一答

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