司法書士に戻る
不動産登記法難易度: 2025年度

司法書士 過去問不動産登記法 第207問

問題

農地である甲土地についての登記を申請する場合における農地法所定の許可があったことを証する情報の提供に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 法定相続分に応じてされた相続による所有権の移転の登記がされ、A及びBが所有権の登記名義人となった甲土地について、遺産分割を原因とするAからBへのA持分全部の移転の登記を申請する場合には、農地法所定の許可があったことを証する情報の提供を要する。 イ 甲土地について、AからBへの売買を原因とする所有権の移転の登記がされた場合において、錯誤を原因とする当該登記の抹消を申請するときは、農地法所定の許可があったことを証する情報の提供を要する。 ウ A及びBを所有権の登記名義人とする甲土地について、共有物分割を原因とするAからBへのA持分全部の移転の登記を申請する場合には、農地法所定の許可があったことを証する情報の提供を要する。 エ 電気事業者が高圧電線路を敷設するため甲土地全体に「電線路の障害となる工作物を設置しない」ことを目的とする地役権の設定の登記を申請する場合には、農地法所定の許可があったことを証する情報の提供を要する。 オ 甲土地について「質権者は質物を使用収益できない」旨の定めがない不動産質権の設定の登記を申請する場合には、農地法所定の許可があったことを証する情報の提供を要する。

選択肢

  1. 1アウ
  2. 2アエ
  3. 3イエ
  4. 4イオ
  5. 5ウオ

正解

5. ウオ

詳しい解説を見る

解説

正解は「ウオ」。農地法所定の許可は、農地について所有権を移転し、または使用収益を目的とする権利を設定・移転する場合に必要となる(農地法3条1項)。ア=誤り。遺産分割は相続に伴う財産の帰属の確定であって、農地法3条1項の許可を要する権利移転には当たらない(同項12号)。したがって遺産分割を原因とする持分移転の登記に許可情報の提供は不要である。イ=誤り。錯誤を原因とする所有権移転登記の抹消は、初めから権利移転がなかったことを登記記録上明らかにするものであり、新たな権利変動を生じさせるものではない。したがって農地法所定の許可を要しない。ウ=正しい。共有物分割は共有者間で持分を移転させるものであり、農地の所有権の移転に当たるから、農地法所定の許可があったことを証する情報の提供を要する。遺産分割との違いが問われている。エ=誤り。地役権は承役地を使用収益する権利ではなく、承役地の利用を一定の限度で制約するにとどまる。「電線路の障害となる工作物を設置しない」ことを目的とする地役権は不作為を内容とするものであり、農地の使用収益を目的とする権利の設定には当たらないから、許可を要しない。オ=正しい。不動産質権は、設定行為に別段の定めがない限り、質権者が目的物を使用収益することができる(民法356条)。「質権者は質物を使用収益できない」旨の定めがない不動産質権は農地の使用収益を目的とする権利の設定に当たるから、農地法所定の許可があったことを証する情報の提供を要する。したがって正しいのはウとオである。(出典: 令和7年度 司法書士試験 午後の部 第18問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

不動産登記法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。