問題
保全命令を得て仮差押えを執行した債権者が、その後の本案訴訟で敗訴し、保全命令が違法・不当であったと評価された。この場合の債務者の救済等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1保全命令はあくまで暫定的措置であるため、たとえ違法・不当であっても、債権者が債務者に対して損害賠償責任を負うことは一切ない
- 2債権者に故意又は過失が認められる場合、債務者は仮差押えにより被った損害について不法行為に基づく損害賠償を請求し得る
- 3債務者は、保全命令が発令された後は、本案で勝訴しても担保として供託された金銭から優先弁済を受けることはできない
- 4保全命令を得るために債権者が立てた担保は、専ら裁判所の費用に充てるためのものであり、債務者の損害填補とは関係がない
正解
2. 債権者に故意又は過失が認められる場合、債務者は仮差押えにより被った損害について不法行為に基づく損害賠償を請求し得る
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解説
民事保全は疎明に基づき迅速・密行的に発令される暫定措置であるため、被保全権利が実際には存在しなかった等、保全命令が違法・不当であった場合には債務者に損害が生じうる。判例上、本案で被保全権利が認められなかったときは、特段の事情がない限り債権者に過失が推認され、債権者は不法行為に基づく損害賠償責任を負い得る。発令時に債権者が立てる担保は、まさにこの債務者の損害を担保する趣旨であり、債務者は担保物について質権者と同様の権利を有し優先弁済を受け得る。したがって債権者に故意・過失があれば損害賠償を請求し得るとする記述が最も適切であり、賠償責任が一切ないとする記述は誤りである。
一問一答
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