問題
A社は取引先B社が支払不能に陥り民事再生手続開始の申立てをしたことを知った。A社はB社に対し買掛金(A社の債務)100万円を負う一方、売掛金(A社の債権)150万円を有している。A社が採り得る対応に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
選択肢
- 1A社は売掛金債権を再生債権として届け出るほか、一定の要件の下で、自らの買掛金債務と売掛金債権とを相殺して実質的に優先回収を図ることができる場合がある
- 2再生手続が開始された以上、債権者であるA社は相殺をすることが一切禁止され、買掛金100万円は全額B社に支払わなければならない
- 3A社は届出をしなくても、再生計画により当然に売掛金150万円全額の弁済を受けることができる
- 4A社の売掛金債権は再生手続開始により当然に消滅し、A社はもはやB社に対して何らの権利も主張できない
正解
1. A社は売掛金債権を再生債権として届け出るほか、一定の要件の下で、自らの買掛金債務と売掛金債権とを相殺して実質的に優先回収を図ることができる場合がある
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解説
再生債権者が再生債務者に対して債務を負っている場合、両者が相殺適状にあるなど一定の要件を満たせば、再生手続によらずに相殺をすることが認められる(民事再生法92条)。相殺は自己の債務を引き当てに自己の債権を回収するのと同じ効果を持つため、相殺権を行使すれば実質的に他の再生債権者に優先して回収できることになり、相殺の担保的機能が発揮される。本件でA社は売掛金150万円を再生債権として届け出つつ、買掛金100万円と相殺して差額を届け出るなどの対応が考えられる。相殺が一律禁止されるわけではなく、届出なしに当然全額弁済されることもない。再生手続開始によって債権が当然消滅することもない。したがって相殺により優先回収を図り得る場合があるとする記述が最も適切である。
一問一答
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