問題
A社はB社に対して有する金銭債権を担保するため、B社が所有する建物(時価相当の価値を有する)に第一順位の抵当権の設定を受け、その旨の登記を備えた。その後、当該建物には別の債権者のために第二順位の抵当権も設定された。この抵当権に関する次の①〜⑤の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
選択肢
- 1抵当権の効力は抵当不動産そのものにのみ及び、抵当地上の建物が滅失して受け取る火災保険金請求権などの物上代位の対象には一切及ばない。
- 2抵当権者であるA社は、被担保債権について元本のほか、満期となった最後の2年分の利息および遅延損害金についても、原則として抵当権を行使して優先弁済を受けることができる。
- 3B社が抵当建物を第三者に賃貸している場合、A社は抵当権に基づき当然に賃料を直接取り立てる権利を有し、物上代位の手続を経る必要はない。
- 4同一の不動産に複数の抵当権が設定された場合、その順位は被担保債権の発生日の先後によって決まり、登記の先後は関係しない。
- 5抵当権の被担保債権が弁済等により消滅しても、抵当権の設定登記が抹消されない限り、抵当権は当然には消滅せず、登記の抹消があって初めて消滅する。
正解
2. 抵当権者であるA社は、被担保債権について元本のほか、満期となった最後の2年分の利息および遅延損害金についても、原則として抵当権を行使して優先弁済を受けることができる。
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解説
②が適切。抵当権者は、利息その他の定期金については原則として満期となった最後の2年分について優先弁済を受けられる(民法375条1項)。①は不適切。抵当権は目的物の売却・賃貸・滅失等により債務者が受けるべき金銭等にも及び、火災保険金請求権は物上代位の対象となる(民法372条・304条)。③は不適切。賃料への効力も物上代位として認められるが、行使には払渡し前の差押えが必要であり、当然に直接取立てができるわけではない(民法372条・304条1項ただし書)。④は不適切。抵当権の順位は登記の前後によって決まる(民法373条)。⑤は不適切。抵当権は担保物権の付従性により被担保債権の消滅とともに当然に消滅し、登記の抹消は対抗要件・公示の問題にすぎない。
一問一答
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