問題
A社はB社に対して売掛金債権を有していたが、B社が支払を遅滞している。A社が債権回収のためにとり得る手段に関する次の記述のうち、最も適切なものを①〜④の中から1つ選びなさい。
選択肢
- 1債権者A社が債務者B社に代位してB社の有する債権を行使する債権者代位権は、A社の債権が弁済期にあるか否かにかかわらず、いかなる場合も裁判上行使しなければならない。
- 2B社が無資力でないにもかかわらず、A社はB社が第三者にした財産処分行為について常に詐害行為取消権を行使できる。
- 3相殺は、当事者の一方の意思表示によってするが、相殺適状が生じた時点ではなく、意思表示をした時点から将来に向かってのみ効力を生じる。
- 4A社がB社に対して有する債権とB社がA社に対して有する同種の債権がともに弁済期にある場合、A社は相殺の意思表示により対当額で両債権を消滅させ、実質的に優先的な回収を図ることができる。
正解
4. A社がB社に対して有する債権とB社がA社に対して有する同種の債権がともに弁済期にある場合、A社は相殺の意思表示により対当額で両債権を消滅させ、実質的に優先的な回収を図ることができる。
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解説
同種の両債権がともに弁済期にあるとき相殺の意思表示で対当額を消滅させ事実上優先回収できるとする記述が適切。両債権が同種で弁済期にある(相殺適状)とき、一方的意思表示で対当額を消滅させることができ(民法505条・506条)、他の債権者に優先して事実上の回収を図れるのが相殺の担保的機能である。債権者代位権を弁済期の有無にかかわらずいかなる場合も裁判上行使しなければならないとする記述は誤りで、債権者代位権は原則として被保全債権が弁済期にあることを要し(423条)、保存行為を除く。また裁判外でも行使でき「いかなる場合も裁判上」は誤り。無資力でないにもかかわらず常に詐害行為取消権を行使できるとする記述も誤りで、詐害行為取消権は債務者の無資力など要件を満たす場合に限られる(424条)。相殺が意思表示をした時点から将来に向かってのみ効力を生じるとする記述も誤りで、相殺の効力は相殺適状を生じた時にさかのぼって生じる(506条2項)。
一問一答
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