問題
A社はB社に対して有する貸金債権の回収を確実にするため、各種の担保の設定を検討している。物的担保に関する次のア〜オの記述のうち、適切なものの組み合わせを①〜⑤の中から1つ選びなさい。 ア. 質権は、設定者が目的物の占有を継続したままでも有効に成立し、第三者に対抗することができる。 イ. 根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で担保するものであり、元本確定前は被担保債権の範囲を変更することができる。 ウ. 留置権は当事者の合意により発生する約定担保物権であり、被担保債権の弁済期が未到来であっても目的物を留置することにより成立する。 エ. 抵当権は目的物の占有を抵当権者に移転せずに設定することができ、同一の不動産について登記の前後により順位を付して複数の抵当権を設定することができる。 オ. 抵当権を設定するには、債権者と設定者との間の合意のほか、目的物である不動産を抵当権者に現実に引き渡すことが効力発生の要件となる。
選択肢
- 1ア・ウ
- 2ウ・オ
- 3ア・オ
- 4イ・エ
- 5イ・オ
正解
4. イ・エ
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解説
イは適切。根抵当権は一定の範囲に属する不特定の債権を極度額まで担保し、元本確定前は被担保債権の範囲・債務者の変更が可能である(民法398条の2・398条の4)。エも適切で、抵当権は非占有担保であり、同一不動産に登記の前後により順位の異なる複数の抵当権を設定できる(369条・373条)。一方アは不適切で、質権は目的物の引渡しが効力発生(成立)要件であり、設定者に占有を継続させることはできない(344条・345条)。ウも不適切で、留置権は法律上当然に生じる法定担保物権であり、被担保債権の弁済期が到来していなければ成立しない(295条1項ただし書)。オも不適切で、抵当権は非占有担保であって目的物の引渡しは効力要件ではなく、当事者の合意によって成立し、登記が第三者対抗要件となる(369条・177条)。よってイ・エが適切で、担保物権の占有要件と発生原因の区別が要点である。
一問一答
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